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japanese.china.org.cn |06. 11. 2022 |
米国の半導体戦争、同盟国を損ね自国を肥やす
韓国「アジア経済」がこのほど発表した最新の統計データによると、世界の時価総額トップ100の半導体メーカーのうち、中国大陸は42社、米国は28社で、韓国は3社のみとなっている。サムスン電子が発表した第3四半期の業績報告によると、その営業利益は前年同期比で31.39%減と激減し、3年ぶりの減少となった。米国が政府による半導体産業への支援を強化するなか、韓国の半導体メーカーの時価総額ランキングと収益力が下がり、韓国の緊張・懸念を引き起こしている。
上述したデータの変化は半導体市場の状況をある程度反映しているが、半導体メーカーの実力を最も全面的に反映しているわけではない。しかしその一方で、これは韓国半導体メーカーが米国による半導体禁輸措置から影響を受けていることを示した。米国の政府による半導体産業への支援の強化は実質的に、同盟国を損ね自国を肥やす。これは世界の半導体産業にとって健全な発展ではなく、全面的なショックだ。特に同盟国の半導体産業の発展に衝撃を及ぼす。
米国は半導体産業に持続的に力を注ぎ、「半導体クアッド」の構築に取り組み、自国企業への補助を拡大し、中国に対する最先端の半導体製造装置の輸出を禁じた。これは世界の半導体産業を掌握し、これを武器とし戦略的競争相手を攻撃することが目的だ。しかし半導体製造及びパッケージ分野で、米国はすでに主導権を失っている。米国で設計される大半の半導体は中国台湾地区で製造される。特に米国は最先端の半導体の生産能力を持たない。米国は徐々に立ち遅れる局面を覆すため飴と鞭を使い、世界各地の半導体産業を米国に集中させようとしている。520億ドルを拠出し、米国で工場を建設する半導体メーカーに補助を提供すると承諾した。その一方で「半導体クアッド」を通じ、半導体メーカーを米国に移転するよう韓国と中国台湾地区に圧力をかけている。
米国の措置は韓国及び中国台湾地区の半導体産業の競争力を大幅に低下させる。企業移転には大量の資金が必要だ。米国で新工場を建設すれば工期が本土を遥かに上回るだけでなく、企業の建設・運営の負担が激増する。企業は人材・原料・市場などの面で数多くの問題に直面する。彼らは苦しい選択に直面せざるを得ない。米国の補助を受け半導体工場を米国に移転すれば、今後10年に渡り中国で新たな先端半導体メーカーを設立できないことを意味し、中国という世界最大の半導体市場を失う可能性も高い。
中国大陸部からは40数社が半導体メーカー時価総額トップ100に入っている。これはさまざまな圧力を受けながらも、半導体産業が成長の流れを呈していることを反映した。米国の科学技術戦争が半導体分野にまで及び、半導体は「首を絞める」ためのツールになっている。中国企業はかつてないプレッシャーを感じているが、かつてない原動力を引き出している。今日の中国大陸の半導体関連企業はすでに数万社にのぼっている。巨大な市場は中国の半導体産業発展の底力だ。方向を見据えた後、政策サポート、資金援助、多くの人材、整った関連設備、豊富なセクションといった強みが、この産業の成長に条件を提供した。
米国の半導体戦争の悪い結果が持続的に顕在化している。韓国は自国の半導体メーカーの収益力の低下に気づいており、台積電(TSMC)の株価も変動している。これは市場の懸念を十分に反映した。米国に追随すれば、これらの企業は競争力と発展のチャンスを失う。(筆者・項立剛 情報消費連盟理事長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月6日