政治・安全>
japanese.china.org.cn |01. 12. 2022

中央・北アジアの協力を促進せよ=専門家

タグ: 外交 産業 衝突 中央・北アジア
中国網日本語版  |  2022-12-01

 現在の国際情勢と今後の歴史的方向を見ると、中央・北アジアの協力は注目に値する外交の方向で、新たな情勢のもと新たな中身と新たなチャンスを育んでいる。現在の国際環境において、中央・北アジアの協力には重要な価値がある。(文=周鑫宇 北京外国語大学地域・世界ガバナンス高等研究院教授))

 

 まずエネルギー問題について、ロシアとウクライナの衝突と産業のモデル転換が、欧州などの地域のエネルギー危機を持続的に激化させている。中央・北アジアはエネルギーの埋蔵量が極めて豊富で、うち天然ガスの確認埋蔵量は世界全体の23.97%を、石炭の確認埋蔵量は世界の22.59%を占めている。国際情勢の変化に伴い、中央・北アジアのエネルギー問題をめぐる戦略的な意義が大きくなっている。

 

 次に、中央・北アジアはユーラシア大陸の中心地帯だ。ロシアと西側の衝突の長期化を背景とし、コーカサス諸国と東欧が持続的な地政学的衝突に陥り、中央・北アジアの地政学的な安全・安定がより重要になっている。上海協力機構は長年の発展を経て、すでに地域安全協力のモデルを打ち立てている。さらに経済・民生分野の地域協力により支える必要がある。

 

 それから、中央・北アジアのガバナンスには世界的な価値がある。中央・北アジアは面積が広いが人口が少なく、食糧生産及び輸出の潜在力が大きい。地域の森林資源は世界全体の約10.23%を占めている。これは世界の食糧安全、生物多様性の保護、貧困対策、地方の衝突の対策などに対して高い価値を持つ。グローバルガバナンス及びSDGsにおいて幅広いスペースを持ち、2030アジェンダに新たな原動力を提供できる。

 

 具体的に見ると、次の面から中央・北アジアの協力を着実に促進できるだろう。

 

 まず経済について、区・省・州1級政府が先頭に立ち、関連都市と重点企業を主体とし、地域のエネルギー、農業、環境、科学技術などの産業協力を促進できる。将来的には中央・北アジアの既存の産業・技術力、豊富な自然資源と土地資源、徐々に整備される鉄道・航空交通インフラにより、各種製品の国境を跨ぐ地域内分業構造を形成し、発展途上国が平等に参加する整った産業チェーンを構築できる。

 

 次にガバナンスについて、関連する社会組織、大学、研究機関を主体とし、「エルティシ川―オビ川ルート」を利用することで、中央・北アジアの各国は北極海航路の開発、氷原河川の開発・ガバナンス、新エネ開発、環境修復、貧困削減などの有益な協力を展開できる。「清潔で美しい」人類運命共同体の国境を跨ぐ協力プロジェクトの実施モデルエリアを構築できる。中央・北アジアの構築は、発展途上国と内陸部に経済・ガバナンスをめぐるより多くの協力のチャンスをもたらす。開放的で包摂的で普遍的でバランスが取れたウィンウィンの人類運命共同体の理念を実践できる。


 最後に、地域的な安全ガバナンス発展フォーラムでの交流・協力を促進し、中国のエピソードを語り、中華民族共同体と周辺運命共同体を結びつけて発展させ、より高い水準の地域安全協力においてより高水準の辺境安全及び国家安全を実現する。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月1日