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japanese.china.org.cn |17. 02. 2023 |
米国は自らを高い空にとどまらせながらも、軟着陸を望む
「気球事件」が世間を騒がせているが、ここ数日、米国側の主張に明らかな変化が現れている。米国のシャーマン国務副長官は現地時間15日、米中双方は「意思疎通や相互理解を一度もやめていない」「外交の力は衝突につながる誤判を防ぐことができると信じている」と示した。米国のハリス副大統領は14日、この事件が「米中関係に影響を及ぼすことはない」「両国は衝突や対立を求めるのではなく、競争を模索している」と示した。ある米国メディアはこれについて、ワシントンが「気球事件」のさらなる拡散を防ぐために行った「最も明確で、公開・透明な努力の一つ」だと分析した。
「後悔先に立たず」ということわざがあるように、米国が中国の反対を顧みず、米国領空に誤って迷い込んだ中国の民間無人気球を撃墜し、その後に次々といわゆる未確認飛行物体を撃墜した行為は、実際は自らを1万メートル以上の空にとどまり「軟着陸」しにくくさせた。ムードを煽ることは簡単だが、それを解くことは大変である。目下、米国は自ら作った厄介な状況に陥っている。
米国会の一部の政治家は今もこの事件を煽り続けている。米下院はいわゆる「米本土上空における中国の高高度気球使用に関する決議案」を可決し悪意をもって取り上げ、中米間で発生した偶然で意外な出来事から政治価値を搾取しようと考えている。
全国人民代表大会(全人代)外事委員会は16日、これに対して強い非難と断固たる反対を表明した。しかし、米国側が発した乱雑な情報から、米国当局を含む一部の人はこの事件を冷却させようとしていると見られている。
こうした騒動の後、米国当局の一部の人は冷静さを取り戻し、「意外な出来事」を「事件」として取り扱った結局、厄介なことになったと気がつき、世間でも改めて考えるべきという声が増えている。『ワシントンポスト』は、気球事件は中国の政策より米国の政治の方に多くの問題があることを露呈し、バイデン政権は中国に軟弱な態度をとっていると思われることを恐れ、この事件を外交のチャンスにできなかったと論じた。『ニューヨーク・タイムズ』は、米中関係が悪化する中、当局は必ずそうしなければならなかったのかと疑問を示した。
多くの米国人は、米国政府の「気球事件」対処方法に問題があると考えている。過剰反応や大げさにした結果、米国にとって不利になることは明らかである。外部も米国人の「中国脅威論」を無限に取り上げることに嫌気を感じている。中米間に相互信頼が深刻に欠ける中、双方は妨害される可能性を常に気にしていなければいけない。この「気球事件」で、両国の外交の知恵と政治能力が試された。率直に言えば、米国がこの事件で示した姿勢は成熟した大国らしくなく、そして憎くておかしい。
米国側の非難と制裁が存在する大げさなパフォーマンスに対し、中国は最大限の自制と理性を終始保っている。事件の進展に伴い、中国の外交のプロフェッショナルさ、中米関係を安定させる責任ある態度、戦略的決定力がますます証明された。逆にワシントンが調子に乗りすぎ、この芝居を続けていけなくなり、最終的につまらなくなるのは当然である。
米国当局の官僚は対立をうまくコントロールし、中米関係に「防止柵」を取り付ける必要があるとよく話しているが、うまく処理できたはずの意外な出来事は米国政府の行動によって逆に処理しづらくなり、外交の波紋が広がっていった。他のさらに厄介なことに出くわした時、米国側の対応はもっとひどいのではないだろうか。米国の現在の政治生態の下で、実務的で理性的な処理方法はポピュリズム感情に負け、経済協力は政治操作に道を譲り、友好が偏見に屈している。このような状況で国際社会をどのように安心させるのか。
我々は、ワシントンを冷静にさせるのに、「気球事件」という失敗劇だけではなく、反省すべきことが確かに多すぎると考えている。ワシントンのわがままを国際社会の理性的な人たちは見極めており、今はワシトン自身に目を覚ます意思があるかどうかにかかっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月17日