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japanese.china.org.cn |18. 03. 2023 |
中国式現代化は西洋式現代化の難局を打開
文=張健・天津市中国特色社会主義理論体系研究センター天津市党委員会党学校基地教授
今年の全国両会(全国人民代表大会、中国人民政治協商会議全国委員会)の期間中、多くの在中国外国人使節や国際組織の責任者がメディアの取材に対し、「中国式現代化は中国の実際の状況に合致する道であり、中国人民だけでなく世界にも恩恵をもたらすと期待している」と述べた。実際、中国式現代化は人類進歩事業の重要な構成部分であり、真新しい人類文明の形態である。習近平総書記は、「中国式現代化は、『現代化=西洋化』という誤った考えを打破し、現代化の別の未来像を描き、発展途上国に現代化へ進むもう一つの選択肢を提供している」と指摘した。
では、比較の視点から見ると、人類文明の新しい形態である中国式現代化の「新しさ」はどこに表れているのだろうか。「人類文明の新しい形態」の本質は一体何だろうか。
「現代化」キャンペーンは西洋で誕生したため、一定期間で、「西洋化」はほぼ「現代化」の代名詞となった。21世紀に入ってから、中国の急速な発展に伴い、中国式現代化は徐々にグローバルな現代化の枠組みの中の新しい風景となってきた。
この2種類の「現代化」は、資本主義と社会主義のイデオロギーの相違を含む異質性を持っている。両者は共に「自然経済−商品経済−製品経済」という人類社会発展プロセスの第2段階に芽生え、進化の過程でそれぞれ「資本至上」と「労働至上」の2つの異なる発言体系を形成してきた。西洋式現代化が対外戦争、植民地、略奪、対内搾取、圧迫と強権政治を強調しているのに対し、中国式現代化は人民を中心とし、天下を胸に抱き、世界の大同を図ることを堅持している。両者の異質性と歴史的進化における内在的関係をどのように見るべきか。米学者の福山氏(Francis Fukuyama)は、「これは中国の道が西側モデルに取って代わるチャレンジが現れたこと意味する」と考える。福山氏は代替性と対立性をより強調しているが、これは一方的な見方だと思う。さらに深く考えてみると、両者の発展経路が異なるのは結局、東西の根本的な思考が異なるためである。
客観的に言えば、西洋式現代化は地域的歴史から世界的歴史への転換を大いに促進し、人類文明の発展を推進してきた。『共産党宣言』は、「ブルジョアジーは、僅かに百年ばかりの階級的支配の中に、過去一切の諸時代を合したよりも、いっそう多量で巨大な生産力をつくり出した」と述べている。しかし、西洋式現代化は「主統治客」の考え方を強調し、大きな限界があるため、その理論体系を支える「西側中心論」に論理的な欠陥が存在することは否定できないだろう。この意味において、新しい人類文明の形態である中国式現代化の新しさとして、まずそれが西洋式現代化の歴史的限界を本質的に突破し、西洋式現代化の難局を打開し、中華文化とマルクス主義の融合に基づく人類現代化の新しい局面を切り開いた。グローバルな現代化の枠組みの中で、新しい現代化の発言権が誕生したことを意味すると言えるだろう。
中国式現代化は科学的社会主義の実践プロセスに成長し続けているため、深く考えてみると、科学的社会主義は中国式現代化を強力に推進する無限の源泉である。マルクス主義は、人類現代化の進化を推し進める内在的動力は人類労働の革命的変革であり(労働はすなわち生存―労働は生計を立てる手段―労働は真っ先の需要)、異なる段階の労働種類は人類現代化が依存する歴史的背景を決定づけたことを明らかにした。人間と自然が交換する段階では、労働は生存そのものであり、これは前現代化の歴史的背景だった。人間同士が交換し合う段階で、労働は生計を立てる手段であり、これは現代化が依存する歴史的背景である。また、人間と社会が直接交換する段階では、労働は真っ先の需要となり、これはポスト現代化の歴史的背景である。この意味において、今の時代の中国と西側の現代化を考察すると、その歴史的背景は「労働は生計を立てる手段」であり、その未来の戦略的方向(後現代化歴史背景)は「労働は真っ先の需要」だとわかる。長期的に見て、西洋式現代化は歴史が短く、中国式現代化は歴史的優位性があると言えるだろう。
体力と脳力は商品経済が消えた後も存在し続け、人類の歴史が製品経済の段階に入っても、労働に関する論理は依然として存在する。一方、科学的社会主義の実践に基づく中国式現代化は、科学的社会主義が初級段階からより高い段階へ進級するのに伴い、同時に進級するに違いない。具体的には、「労働が生計を立てる手段である」時(社会主義初級段階)、科学的社会主義の歴史的使命は強国を建設し、中華民族の偉大な復興を実現することであり、中国式現代化はその根本的な道である。「労働が真っ先の需要になる」時(共産主義段階)、科学的社会主義の歴史的使命は世界の大同を図ることになる。その時、中国式現代化は人類の現代化と一体化し、人類の進歩事業を大きく推進し、人類運命共同体と世界の大同を実現させ、世界文明の新しい偉大な歴史プロセスを開くことが予想されるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月18日