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japanese.china.org.cn |24. 03. 2023

米国の金権政治が深刻化、選挙資金の記録を再更新

タグ: 米国 金権政治
中国網日本語版  |  2023-03-24

 2024年の米大統領選が近づく中、大統領選に関する献金が記録を再更新するという予想も増え始めている。

 2020年の大統領選では新記録が樹立された。勝利を収めたバイデン氏は大統領選で10億6000万ドルの選挙資金を集めた。トランプ陣営の8億ドルを大幅に上回り、かつバイデン氏は初めて大統領選中に個人で10億ドル超を集めた大統領になった。さらに昨年の米中間選挙中に両党の候補者が費やした選挙資金も167億ドルと過去最大になった。この数字は2018年の中間選挙の140億ドルの記録を更新し、さらには世界70数カ国の2021年の国内総生産を上回った。

 この驚くべき数字は、米国のいわゆる民主主義政治がますます徹頭徹尾の金権政治になっていることを示した。米国の選挙はカネによる政治のゲームであり、より多くの資金を集めた人、バックの「スポンサー」の資金が潤沢な人が、選挙に勝つ大きなチャンスを手にする。この論理により、大統領選を含む米国の選挙はカネをつぎ込むゲームに変わり、カネとスポンサーが米国の政治動向を左右する重要な要素になっている。

 カネの政治という古い問題の持続的な悪化は、米国の一般人に無力感と喪失感を与えており、民主・共和両党及び政府への不信任を生んでいる。これは米国人の民主主義という観念への信仰を根本から揺るがしている。長期的に米国の政治献金の流出先を追跡しているウェブサイトの研究報告によると、米国の近年の選挙における巨額の資金消耗は効果的な国家ガバナンスに転化しておらず、むしろ政治的な発言権と富を日増しに少数の人物に集めている。米国の多くの一般人は投票権を持つが、米国の政治及び政策の制定に実際の影響を及ぼせない。この無力感、喪失感、不信任は民主主義の観念への自信を失わせ、また現在の米国内におけるポピュリズムの台頭の重要な思想源になっている。米国の政治エリートが、米国式民主主義がスポンサーに奉仕するツールに落ちぶれるという深い問題を効果的に解消できなければ、米国が誇りとする国家発展及びガバナンスのモデルは継続困難、さらには効力喪失の苦境にさらに陥ることになる。(筆者・王浩 復旦大学米国研究センター准教授)

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月24日