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japanese.china.org.cn |30. 03. 2023 |
世界的なエネルギーの逼迫、貧困激化の恐れも
学術誌「Nature Energy」はこのほど研究報告を掲載し、エネルギー価格の急騰により世界の1億4100万人が極度の貧困に陥る可能性があるとした。これは再び世界の人々に向け警鐘を鳴らした。エネルギー供給の安全保証はすでに単純な経済の問題ではなく、国家経済や人々の生活、国の盛衰に関わる重要な戦略的問題となっている。
研究は、年内に物価高が頭打ちするが、エネルギー価格はすぐには低下せず、供給がより逼迫するとした。暖房及び照明のための電気料金を支払えない世帯が増える見込みだという。エネルギー価格の急騰はエネルギーの購入に直接影響を及ぼすだけでなく、すべての川上・川下サプライチェーン及び消費財(食品やその他の生活必需品を含む)に値上げの圧力をもたらす。初歩的な試算によると、今年の世界各地の世帯あたりエネルギーコストは62.6-112.9%増加し、世帯支出が2.7-4.8%増加する見込みだ。
国際エネルギー機関の最新データも同じような結論となった。昨年は世界の「無電人口」が2000万人弱増加し、7億7500万人にのぼったと見積もった。同機関は、この増加は主にサハラ以南アフリカで発生しているが、同地域は飢餓や電力及び医療資源の不足が10年前より深刻になっていると警告した。経済が発展している地域では、最近になり物価とエネルギー価格がやや低下しているが、年内にエネルギー価格と食品価格がさらに上がる可能性もあるという。
現在の世界のエネルギー危機には主に、伝統的な化石燃料への過度な依存という原因がある。同時に地政学的な緊張の激化、石油の需給バランスの乱れにより、エネルギーサプライチェーン全体の安全性と信頼性が低下している。このエネルギー危機は現在世界で、エネルギーの貧困及び極度の貧困の人口の増加を激化させている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月30日