政治・安全> |
japanese.china.org.cn |10. 04. 2023 |
中国による海底ケーブルの敷設、利のみで害はなし
情報によると、通信事業者の中国電信は現在、EMA(欧州・中東・アジア)と呼ばれる海底ケーブルの敷設を検討している。中国香港と海南省を結び、シンガポール、パキスタン、サウジアラビア、エジプト、フランスにつなげる。総額5億ドルを要し、中国企業が製造と敷設を担当する。
今日の人類はすでに情報化の時代に入っている。MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)やインターネットバックボーンの他に、国家間及び大陸間の交流には大洋を跨ぐ光ケーブルが必要だ。現在世界で建設されている海底ケーブルは475本を超え、その総延長は90万キロメートルを超える。世界の9割の国が海底ケーブルによって国家間の情報伝送を行っている。これらの海底ケーブルは一般的な国際長距離電話の任務を担当するほか、コミュニケーションや生活サービスと関連する大量のデータを伝送する。さらに重要なことに、金融と貿易に関する大量の情報も海底ケーブルによって伝送されている。
この海底ケーブルがSeaMeWe-6(東南アジア・中東・西欧-6)と呼ばれる海底ケーブルの競争相手になるとの説がある。ここで強調しておく必要があるが、今日の人類の情報伝送能力は過剰ではなく不足しており、持続的に海底ケーブルを敷設する必要がある。アジア太平洋では過去4年で少なくとも6本の海底ケーブルが計画・建設されている。情報産業にとって、海底ケーブルの敷設がまず考慮すべきことは国家間の競争ではなく通信能力の向上だ。1本の海底ケーブルが完成すれば、すべての情報伝送の任務を担えるというわけではない。
SeaMeWe-6の建設において、中国企業は当初参加者だった。ところが米国が国家安全問題を口実とし、海外の通信事業者に補助金を支給することで、最終的に中国企業を締め出した。米国企業のSubComが昨年、建設と運営を担当することになった。この世界には、中国の国益と情報安全を無視した米国の国益と情報安全があってはならない。中国が事業から締め出されたのだから、その他の海底ケーブルも特殊な状況下で使用を停止される恐れがある。これは中国の情報伝送の安全に深刻な影響を及ぼす。中国と世界各国の情報伝送の円滑性を保証するため、中国による海底ケーブルの建設の主導は非常に必要だ。米国は中国企業を除外しようとしている以上、中国企業による独自の海底ケーブルの建設の主導を阻止してはならない。
中国には技術、能力、それから需要もあり、海底ケーブルの建設を主導する権利が当然ある。同時に沿線の関連諸国の通信事業者による積極的な参加も歓迎する。太平洋は充分に広く、新しい1本の海底ケーブルを受け入れることは何ら問題ない。(筆者・項立剛情報消費連盟理事長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月10日