政治・安全>
japanese.china.org.cn |11. 04. 2023

独日を危険な前線に立たせようとする米国=独連邦議会議員

タグ: 歴史 軍事費 デカップリング
中国網日本語版  |  2023-04-11

文=Sevim Dagdelen ドイツ連邦議会議員、外交委員会議会チームファシリテーター

 日韓両国の国会を訪問した際に、筆者はこの2国に深刻な分断があることに気づいた。一方では、政治エリートが中国に対抗する米国の政策に利用されようとしている。これは彼らがこの政策に自分にとってのメリットを見ているからだ。その一方で、彼らは米国の同地域における軍事集結、さらにはそれが引き起こす地域の緊張情勢の持続的なエスカレートに懸念を抱いている。

 米国及びその同盟国がロシアに軍事挑戦を仕掛ける悲劇は現在、危険な茶番として中国で再演されているようだ。世界の政治舞台におけるこの芝居において、米国はドイツと日本を前面に立たせようと考えている。ウクライナに主力戦車を提供しロシアに対抗することで、ドイツ連邦政府は米国によって最前線に立たされることを認めた。ショルツ独首相は、米国に主力戦車の交付を求めることで同問題の解消を試みたが、成功しなかった。米国は自国の主力戦車の供与を約束したが、同時にこれには数年かかる可能性があるとも強調した。

 ドイツ兵が1941年に侵入した領土にドイツが武器を交付するのと同様に、日本軍が数百万人を虐殺し極悪非道の罪を犯した国を対象として、日本は再武装化の道を狂奔している。独日両国のエリートは歴史を忘れているが、これは各自の大規模再武装の合法化プロセスにおいて極めて重要な力を発揮している。例えば日本は軍事費を倍に増額し、対GDP比を2%にしようとしている。韓国に至っては、現政権は日本がかつて犯した戦争の罪と賠償の問題をあまり重視していないようだ。

 特に滑稽なことに、日本は今やかつて植民地支配した台湾への軍事的な保証を試みてさえいる。日本は台湾周辺で兵器庫を建設しようとしており、あたかも台湾島を再び日本の勢力圏内に収めようとしているかのようだ。これは日本の再武装の約束に対する米国の見返りでもあるようだ。日本の再武装は、日本の社会問題を深刻化させ、一部の人口の貧困を激化させている。米国の政策が、1943年の「カイロ宣言」の事実上の改ざんを目指していることは明らかだ。カイロ宣言は、日本が得た台湾を含むすべての領土は中国に返還されるべきと定めた。

 また日本の関係者は、日本が対露もしくは対中経済戦の前線に立たされれば、壊滅的な結果をもたらすことになるとの懸念を示した。日本は依然としてこの問題をめぐり異なる対策を講じようとしている。対露制裁に加わる一方で、意味深長にサハリン島のエネルギー供給を例外的に処理し、かつ最大の貿易パートナーである中国との貿易に依存し続けている。

 しかし米国が日本にこの二重の戦略をいつまで許すかが問題だ。日本に自殺的な策を講じるよう迫る強い圧力が存在するようだ。これはドイツにとってもそうだが、日本の経済モデルの終結と工業の崩壊を招き得る。

 同時に喜ばしいことに、韓国と日本では日増しに致命的になる対抗政策からの脱却を目指し、自国民を一部の政治エリートの車輪の下に置こうとしない勢力が集結している。これらの政治エリートは実質的には「買弁」で、米国に国益を売り渡している。ドイツの詩人・ヘルダーリンは「危機の中にも曙光はある」と記した。国際政治にとっても日本や韓国にとっても、これが真実であることを信じたい。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月11日