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japanese.china.org.cn |15. 05. 2023

半導体禁止令、苦しむのは中国よりも米企業

タグ: デカップリング チェーン 半導体 禁止令
中国網日本語版  |  2023-05-15

 ホワイトハウスが昨年10月に「CHIPSおよび科学法」を施行した後、米国の中国に対する半導体禁止令が絶えずエスカレートしている。米政府は自国企業の中国に対する高級半導体製品及び製造設備の提供を規制し、さらにオランダ、日本、韓国と共に中国の半導体産業を包囲し圧力をかけている。ところが米政府が対中テクノロジー戦の高圧的な姿勢を示す一方で、最も苦しんでいるのは自国の半導体企業だ。米国半導体産業協会(SIA)のジョン・ニューファーCEOはこのほどブルームバーグの取材で、「中国は米国製半導体の最大の市場だ。米政府がいわゆる国家安全面の懸念があるとしているが、米国の半導体企業には中国市場が不可欠だ」と述べた。

 対中半導体禁止令をめぐり、ホワイトハウスと立場が異なる米半導体企業には、自ずと口にし難い苦衷がある。インテルの今年第1四半期の純損益は28億ドルで、四半期ベースでは過去最大の赤字となった。AMDの今年第1四半期の純損益は1億3900万ドル、マイクロン・テクノロジーの本年度第2四半期の損益は23億1000万ドルで、過去20年で最大となった。これに伴い米半導体産業の大規模な人員削減の波が押し寄せている。メディアの報道によると、今年の年初だけでもラムリサーチは1300人、IBMは3900人、3Mは2500人の人員削減を検討しており、3社合計で8000人弱にのぼっている。米国の景気後退の兆しが日増しに顕著になっているが、中国経済との「デカップリング」と「チェーン寸断」は、米半導体企業にとって紛れもなく泣きっ面に蜂だ。

 米国の対中半導体禁止令に協力する韓国の半導体産業も、輸出の激減に直面している。韓国政府が発表した4月の輸出データによると、韓国は14カ月連続で貿易赤字に陥っており、過去26年で最長となっている。韓国の半導体企業は過去に例のない厳冬を迎えている。

 「骨を切らせて肉を断つ」は、米国及びそのパートナーの中国半導体産業への包囲を最も適切に形容している。中国は世界最大の半導体市場で、世界の4割以上の半導体生産量を消化する。同時に中国は世界最大の半導体輸入国で、昨年の輸入額は1兆3000億ドルにのぼった。そのため世界のどの国の重要半導体企業であっても、中国市場を断念することは受け入れがたい損失だ。米政府は西側の半導体企業に中国との「デカップリング」と「チェーン寸断」を強いているが、これは自分で自分の腕を切り落とすようなものだ。

 米国は封鎖により中国半導体産業を絞め殺そうとしているが、中国の半導体国産化による置き換えの巨大な潜在力を見落としている。米国及びそのパートナーの包囲は、中国に早急な技術突破の実現と、自給自足の半導体産業チェーンの構築を強いるばかりだ。詰まるところ米国の半導体禁止令は政治家たちの主観的な行動であり、国内の民意の十分な基礎が欠けており、想定していた効果を発揮することもない。長期的に見ると、米国の中国半導体産業への包囲戦略は維持できず、無駄に笑いの種を増やすばかりだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月15日