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japanese.china.org.cn |20. 05. 2023

中国と中央アジア諸国、国際関係の新モデルを構築

タグ: 中央アジア
中国網日本語版  |  2023-05-20

 ロシアメディア『イズベスチヤ』は5月14日、「中国はなぜ中央アジア首脳を一堂に招いたのか」と題するイーゴリ・カルマジン氏が執筆した記事を掲載した。概要は以下の通り。

 中央アジア5カ国の首脳が5月18日から19日にかけて中国に集まる。各国首脳はウクライナ危機とその経済的な影響を含む国際問題を議論する。また、ビザ制限の撤廃や新たな天然ガスパイプラインの敷設といった地域問題も話し合われる見通しだ。

 中国と中央アジアの関係は経済が基礎となっている。中国海関総署(税関)の統計によると、2022年の中国と中央アジア5カ国の貿易額は40%増の702億ドルで過去最高を記録。23年第1四半期の貿易額は前年同期比22%増だった。

 2022年末時点で、中央アジア5カ国に対する中国の直接投資額は累計150億ドル近くに上った。中国商務部によると、各国は石油・ガス採掘、加工・製造、相互接続、デジタル技術などの分野で協力プロジェクトを実施。「一帯一路」の枠組みでは中央アジア諸国が道路を建設し、新しい鉄道機関車を購入しており、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道は旗艦プロジェクトとみなされている。締結文書によると、同プロジェクトの実行可能性調査は年内に終わる予定だ。

 中国は各国の国防部門との協力も進めている。タジキスタンとの協力は特に重要で、同国は中国とアフガニスタンの間にある緩衝地帯となっている。

 中国は教育分野でも積極的な自己PRを展開している。中央アジアで開設された孔子学院は10カ所を超え、学生たちはそこで中国語と中国文化を学ぶ。また、中国教育部は、中国での高等教育を望む中央アジアの学生に奨学金を提供。コロナ禍前には約3万5000人に上る中央アジアの学生が中国の学校で勉強していた。

 ロシア科学院世界経済・国際関係研究所中国経済・政府部門主任のセルゲイ・ルコーニン氏は、中国がアフターコロナの経済問題の解決に力を入れており、自らを世界的な地政学の参加者と位置づけていると指摘。「この偉大な理想を実現するために、中国は中央アジア諸国との国際関係において新モデルを構築している」と話した。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月20日