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japanese.china.org.cn |04. 07. 2023 |
イエレン氏が訪中へ、中米関係に今週動きも
中国財政部は3日、中米双方の協議を経て、イエレン米財務長官が6−9日に訪中することが決定したと発表した。
北京大学国際戦略研究院創始院長、国際関係学院教授の王緝思氏は3日、「環球時報」に対して、「中米関係に関しては、大きな問題は未解決であるが、小さな進展の可能性は残されている。雰囲気の改善は両国にとってメリットになる。中米は財政や金融などの面で共に協議する必要のある話題が多い。例えば人民元レートや中国による米国債の購入の問題などで、これらは双方の経済に影響を及ぼす」と述べた。
米国が中国との意思疎通を強化しようとしている理由の一つは債務問題との見方がある。「ウォール・ストリート・ジャーナル」が先月引用したJPモルガンのデータによると、米政府は今後4カ月内に8500億ドルの米国債を発行する可能性が高く、年内に1兆1000億ドルを借り入れる必要がある。中国外交学院米国事務研究専門家の李海東氏は3日、「環球時報」に対して、「イエレン氏の訪中が、米国が現在直面している経済及び金融などの問題と密接に関わっていることは明らかだ。これらの問題の解消は、米国側が求める中国側からの協力が得られるかにかかっている。またイエレン氏の訪中には政治的な考慮もある。米国側は、中国との協力で経済及び金融のパフォーマンスを改善することで、短期的に米国の選挙政治下におけるバイデン氏と民主党議員の状況を有利にできると考えている。経済的もしくは政治的な考えにより、米国は現在直面している難題を解消するため中国との協力を求めるが、これは中米の真の長期的な経済互恵構造の構築に不利だ」と述べた。
南京大学国際関係学院執行院長の朱鋒氏は3日、「環球時報」の取材で、「中国に圧力をかけけん制する米国の基本政策はすでに定着している。中米経済・貿易関係、特に米国の経済及びテック分野の中国への圧力が、イエレン氏の1度の訪問により抜本的に調整されることはない。中米関係について非現実的な幻想を抱くべきではないが、双方は積極的に行動することで中米関係を正しい軌道に戻す契機を模索するべきだ。イエレン氏の訪問中、中国側は自国の重点的な関心事と、中米経済・貿易関係を健全な発展の軌道に戻す重要性について説明し、既存の政策枠組み内で、米国側が中国側と共に二国間関係の正しい方向を保証するよう働きかけるのも良いだろう」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月4日