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japanese.china.org.cn |21. 08. 2023 |
米日韓の共同声明、ASEAN利用の傾向が顕著に
米日韓のキャンプ・デービッドでの会談は半日のみで終了したが、世界平和と地域安定にもたらしたショックは現在も尾を引いている。海外メディアは3カ国が署名したいわゆる「キャンプ・デービッド精神」共同声明の中で、ASEAN及び太平洋諸国に多くの紙幅を割き、「現在までで最も強硬な文言」により南中国海問題について言及し、さらに朝鮮の核問題より先に言及したことに驚きと共に注意している。西側メディアの取材に応じた米国の専門家でさえ、声明の上述した内容はやや「意外」だったと述べた。「環球時報」が伝えた。
「キャンプ・デービッド精神」は滑稽だ。米日韓はこの本来であれば3カ国の協力を指導する文書を通じ、ASEANと太平洋諸国に中国対抗を支援したいと呼びかけた。この無理のあるアドリブについて、米日韓は事前にASEAN諸国及び太平洋諸国と意思疎通したのだろうか。その意向を聞いたことはあるだろうか。
米国の伝統的な安全パートナーであるシンガポールや、米国が極力抱き込もうとするベトナムなどの国を含め、ASEAN諸国は公の場で何度も立場表明を回避している。太平洋諸国は「中国との関係を懸念しない」とより率直に表明した。
米国のASEAN抱き込みは今に始まったことではなく、現在も必死に悪知恵を働かせている。これは米国のこれまでの取り組みが成功しなかったことを意味する。今になり日韓を抱き込んでも最終的に失敗に終わる結果を変えられない。その根本的な原因は、米国がASEANの歴史と現実を無視し、独自の外交を堅持しようとする地域諸国の意向を無視していることにある。ASEAN諸国は冷戦に対して最も切実な負の記憶を持ち、「新冷戦」の企てを厳重警戒している。米国は冷戦時代にベトナムやカンボジアなどの内政に干渉し、代理戦争を引き起こし、さらには直接干渉し、地域諸国の人々に癒えない歴史の傷をもたらした。ここは大国による集団政治と陣営の対抗に最も強い反感を抱く地域の一つだ。
キャンプ・デービッドの首脳会談は計画当初より強い「新冷戦カラー」を帯びており、アジア太平洋諸国のそれへの態度については予想が容易だ。見識のある人であれば、同じくASEANを中心としながらも、中国と米国の間に天地の差があることが分かる。米国はASEANを「インド太平洋戦略」の中心にしようとしているが、これはASEANを火にかけるようなものだ。中国はASEANを地域協力の中心に据えており、ASEANと協力によってウィンウィンを促進する揺るぎなき行動派だ。米国自身の言行を対比し、さらに中米間の実際の対比を加えれば、ASEANひいては世界各国にとって最も分かりやすい例となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月21日