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japanese.china.org.cn |25. 09. 2023 |
ローマで感じる、中国・欧州の人権をめぐる交流と駆け引き
中国人権研究会とローマ・ラ・サピエンツァ大学の法学部が共催する「中国・欧州人権シンポジウム2023」が現地時間20日、イタリアの首都ローマで開催された。
英貴族院のニール・デビッドソン議員は発言の中で次のように述べた。
国際関係が緊張すると、人権を武器として利用する動きが出る。これはある国が人権を守っていないという説に示される。これは(他国を)制裁する口実になり、通常は批判される側の地位もしくは合法性を攻撃するためのものだ。この行為は、批判する側が道義的により高尚であることをほのめかしている。英国の一部の政党は人権問題を利用し他国の政党を批判・攻撃することを特に好む。ところが皮肉なことに、この英国の「欧州人権条約」からの離脱を主張する人々は、他者に人権保護を求めながら自身は人権条約の観念を守ることを拒んでいることに気づいていない。
どの国も長期の変化を経て、自身の歴史、制度、伝統、ライフスタイル、哲学理念を形成した。この変化は閉鎖的な環境で起きたことではなく、その他の地方との交流や学習によって生じたことだ。どの(人権保護の)方法がより優れているかという議論に変えることは、人権の中核的な理念に背いている。相互尊重に基づく議論は、社会によって(人権保護の)手段が異なる理由への理解を促す。現在の世界人権事業のガバナンスには大きな多様性が見られる。我々の議論の目的は食い違いを生じさせることではなく、相互学習し、経験を共有し、相互理解することであるべきだ。
元フロン市長、ノルウェー保守党議員、「Ichi Foundation」創設者のThore Vestby氏は基調演説で、中国と西側の人権への認識の差について文化の面から分析した。Vestby氏は漢字の「安」を例とし、「中国の多くの都市には安が使われるが、これは家庭内の平和を意味する。安は屋根の下に女性がいる。そのため(中国人が望む)平和はすべての家庭に存在する」と述べ、次のように続けた。
西側の人々は個人の自由、例えば個人の権利、経済、言論、性的指向などを求めようとする。通常は個人の利益が最優先され、すべてが自分中心だ。よく耳にする言葉は「私の権利を侵害している」だ。個人や「私」の利益は通常、他の人、コミュニティ、国よりも重要とされる。中国の文化は家庭構造の上に成り立っている。儒家思想の孝道の原則が人々の遺伝子に深く根ざしている。伝統的に中国の家庭はコミュニティの一部であり、コミュニティは徐々により大きな家庭に拡大し、最終的に国家を形成した。これは中国語で国が「国家」と呼ばれる理由だ。この文化においては、集団は個人よりも重要とされる。
イタリア国立研究院国際法研究所の元所長のファビオ・マゼッリ氏は、「西側の一部の人物は人権を道具や政治として利用し、人権を他国の発展をけん制するツールや手段にしようとしている。より適切に言えば、これは『西側を中心に』という理論の現れだ。新疆に関する問題を見ると、西側は人権を完全に道具として利用しているが、我々は中国が立ち遅れた地域の発展の問題を解消していることを知っている。新疆のような発展促進の方法が見つかれば、世界の多くの立ち遅れた地域も苦境を脱することだろう」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月25日