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japanese.china.org.cn |14. 10. 2023

米チップの「ガードレール」条項、覇権的な望みを満たすことは困難

タグ: チップ
中国網日本語版  |  2023-10-14

 米商務省はこのほど、中国やその他の懸念国の半導体産業がその恩恵を受けられないようにするために「2022年チップおよび科学法」の最終的な「ガードレール」条項を発表した。レモンド米商務長官はこの「ガードレール」について、米国の資金が1セントたりとも中国によって技術開発に利用され、米国に追いつき追い越すことがないようにするものだと率直に述べた。この言い分は冷戦時代の考え方と覇権主義の論理に満ちており、米国は自らの利己的な利益を守るために、科学・技術・経済・貿易の問題を公然と政治化・武器化するものだ。しかし、世界経済は一体として密接に結びついているため、米国のやり方は市場法則に違反しており、いわゆる「チップ法案」では米国の覇権主義的な望みを実現することはできない。


 世界のチップ産業チェーン・サプライチェーンの形成と発展は、市場法則と企業の選択が共に作用した結果だ。業界の統計によると、一部の先進的なチップの生産には数千の工程が含まれており、完成させるには70以上の国境を越えた協力が必要だ。経済グローバル化の大きな流れの中で、各国は分業と協力を強化しており、それによってもたらされたのが共同的発展だ。米国は要素の最適配分の法則を無視し、自国の優位性を利用して新興市場や他国の発展を抑制、既存のチップ産業の効率的な協力体制を破壊しようとしているが、これは典型的な技術覇権であり、世界の共通利益に悪影響を及ぼしている。

 

 市場法則に反して、巨額の産業補助金を通じて「メイド・イン・アメリカ」を無理に支援することは、財政負担を増大させ、経済成長の足を引っ張ることになる。同時に、このような米国企業への排他的な補助金政策は、米国企業にとって利益よりも弊害の方が大きいだろう。また、数千億ドルを超える世界のチップ市場の生産額や利益に比べると、米国政府が拠出する500億ドル程度の補助金はそれほど魅力的だとは言えない。

 

 米国製チップの「ガードレール」は中国の技術革新のペースを妨げることはできない。制裁は中国に困難をもたらしたものの、その一方でイノベーションの原動力も生み出した。近年、中国国内のチップ市場需要は増加を続けており、産業技術の進化が加速、世界先進レベルとの差は徐々に縮まっている。独自の知的財産権を拠り所に、中国のチップ産業は自身で制御可能な道を歩み始めた。同時に、巨大な市場規模・整備されたインフラ・絶えず最適化されるビジネス環境・ますます深化する開放戦略を基に、中国市場は新技術と新モデルのインキュベーター・実験場・展示プロモーションのプラットフォームとなりつつあり、巨大な商業価値とイノベーションの源泉となっている。

  

 長期的にみると、国際企業は市場シェアを維持するために経営資源の配分を調整する必要があり、最終的に世界の産業チェーンで「脱アメリカ化」の流れが生じる可能性がある。米国による無差別な一方的制裁は、各国に科学技術の自主独立の実現を早めるよう促すことになるだろう。米国製チップの「ガードレール」は、自身を「守る」ことができないだけでなく、イノベーションの大きな流れを「止める」こともできない。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月14日