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万発撥子遺跡 (吉林省通化市)


    発掘面積は6000平方b余り、時代的には新石器時代、商周、春秋戦国、前漢、魏晋、明代などに及ぶ。この墓は非常に特色があり、土坑墓、土坑石椁墓、土坑石椁石棺墓、大蓋石墓、大蓋石積石墓、積石墓、階壇積石墓の7種類に分かれ、女性を主とする合葬墓であることも発見された。なかでも、積石墓、階壇積石墓は、高句麗時代の特殊埋葬であることを表している。

    この遺跡では発掘された文物が、それぞれ異なった時期の異なる文化を代表する。第一期には吉林省では初めての、新石器時代の文物が発見された。第二期の青銅時代の陶鬲の発見は、鴨緑江以北には陶鬲の使用はなかったという過去の学説をくつがえした。第三期、銅短剣と鋳型の出土は、春秋戦国時代に、ここで鋳造技術が存在したことを証明した。第四期の環山溝は、前漢時代ここに大型村落が存在していたことの証明であり、高句麗の早期、何代かにわたってここに住んでいた原住民の存在が考えられる。第五期の発掘では、こうした原住民と中原文化の融合したスタイルが見られる。この地区の高句麗文化と中原の青銅器文化を関連づけて考察することは、東北アジアの青銅文化および高句麗文化の研究に重要な材料となる