前漢陽陵の発掘調査で大きな成果
(1999年9月〜10月25日)


    陝西省人民政府は1999年9月16日、陽陵の全面的考古探査と部分的発掘調査で、重要な発見があったと発表した。

    陽陵は前漢(BC202〜BC16年)の景帝劉啓(BC188〜BC141年)と孝景王皇后が合葬された陵墓の総称。陝西省かん陽げんにある9基の帝王墓陵の一番東に位置している。2100年以上もの間地中に眠っていたが、ついに再び日の目を見ることになった。今回の調査の主な成果は以下の通り。
@多数の彩色裸体俑が出土した。
A皇帝陵の近くに90もの大規模な副葬坑を発見。その総面積は7000平方bを超え、様々の文化財が多数埋葬されていた。
B5000を超える副葬墓を発見。その総面積は3.5平方`メートルに及び、これは中国ではこれまでに発見された最大の前漢皇帝陵の副葬墓区である。
Cすでに発掘が行われた280以上の副葬墓から、5000点以上の各種文化財が見つかった。
D三出闕建築遺跡の発掘。中国でこれまでに出土したものとしては、最も古く、また最も格式の高いものだ。


    陽陵の発掘は1991年に始まった。94年10月まで大規模な発掘と研究が続けられ、南エリアに位置する副葬坑の総面積の13分の1を発掘しただけで600体以上の彩色陶俑と4000点以上もの各種文化財が出土した。彩色陶俑は、車を取り囲む武士俑の数々、箱を守る侍者、家畜を売る馬飼い、財物を司る官吏など、身分も分かれている。それぞれ姿や表情の異なる動物俑も見つかった。

    その後の研究により、陽陵の俑の製作過程が明らかになった。まず人体の原型を形作った後、本物の髪や皮膚と同じ色を塗り、さらに可動式の木製の腕を取り付け、最後に衣服を着せたらしい。それが長い時間の経過により衣服や木製の腕部が腐食し、腕のない裸体の彩色俑となったわけだが、ほとんどの俑は元のままの鮮やかな色彩を今に残している。

    これらの俑はいずれも高さ62aで統一されている。腕の取り付けられていた両肩の部分は垂直に切り落とされたような形になっており、断面は円形をしている。その円の真ん中に丸い穴があいており、胸部を貫いて反対側の切断面にまで届いている。また、性器やへそ、耳や鼻の穴などを含め、人体の特徴を遍く正確に再現している。動物俑はさらにリアルにできており、本物そっくりの体型の豚、賢そうな犬、おとなしい羊、得意そうな雄鶏、ゆっとりとくつろぐ雌鶏など、まるで今にも動き出すのではないかと思うほどだ