老山で発見された漢の王墓 待たれる謎の解明
(2000年4月8日)


    2000年以上昔の漢代の大型王墓の発掘が今年3月から始まり、大きな注目を集めている。考古学者はこの王墓を、明の十三陵の定陵と大葆台の漢墓に次ぐ、北京市の考古学史上3番目の大発見だとしている。

    王墓が見つかったのは、北京市の中心から西に10`ほどの距離にある老山地区。墓穴は南北の辺はいずれも24.5b、東の辺が22b、西の辺が23.5bある。墓道の長さは24b。  これまでの発掘で、「黄腸題湊」、長方形の鉄器一件、墓を造る時に使われた運搬用道路の跡が二カ所で見つかっている 。

    「黄腸題湊」は王墓だけに見られる特殊な柵のことで、カシワの木でできている。これが発見されたことは、この墓が特殊な意味をもった墓であることの証明といえ、専門家がこの墓を漢の時代の王の墓とする根拠にもなっている。

    出土した鉄器は、墓を掘るときに用いられた道具の刃の部分と考えられている。北京市文物局の責任者は、漢代の冶鉄技術が鉄から掘削道具を作り上げる高いレベルに達していたこと証明する価値ある発見と考えている。

    この王墓の発見はここ30年来、北京地区において最も重要な考古学的発見と言える。とりわけ、2000年以上も昔の墓が北京で発見されたという点に大きな価値がある。この墓の発見は漢代における現在の北京地区の政治、経済、文化および都市の変遷、さらにはその時代の埋葬制度を研究する上で、大変貴重な現物資料を提供してくれるはずだ。この王墓の発掘調査は現在も継続中である。