北京・大柵欄で中国伝統の老舗を堪能

▽ナイキCEO夫人、「内聯升」の靴を購入

1853年創業の「内聯升」は、伝統的な手工芸中国布靴を手掛け、既に150年以上にわたり国内外にその名が知られている。大柵欄商店街の修復期間中でも、「内聯升」は営業を止めることはなかった。

南アフリカから来たという華僑の男性客・程さんは友人を連れ、清代末期の風格を有するこの平屋建ての大きな靴店を訪れていた。彼は笑いながら話した。「中国に帰ったときには必ずここで靴を買います。足にとてもよくフィットするし、通気性もいい。一度履いたらもう手放せません。いつも数足買って、南アフリカの友人達にプレゼントしていますよ」。友人は今回北京五輪を観に北京にやってきたが、以前履いた「内聯升」の靴の感触が忘れられず、五輪観戦が終わり、程さんに頼んで「内聯升」にやってきたという。「彼は一度に5足も買いましたよ。家族全員にって」。程さんはあたかも自分の息子がほめられたかのように嬉しそうに話した。

「実に多くの海外からのお客様が五輪観戦終了後にいらっしゃいます。私たちも夜8時頃まで、今では10時頃まで店を開けています」。刺繍が施された赤い布靴を履いた同店経理の女性・張さんは興奮気味にこう話す。「以前よりは正直言ってたいへんですが、売上は毎日のように伸びています。1階の売り場では1日1600足以上も売れています」。

非常に興味深いのは、「内聯升」が誇るその中国伝統の製靴技法は、世界最先端の現代製靴技術とも「深い関わり」を有しているということだ。

世界最大のスポーツシューズメーカーのひとつであるナイキ。このナイキのCEO夫人も「内聯升」を訪れた。いくつかの靴を試着しながら、彼女は中国伝統の製靴技法に感嘆を挙げていた。念入りなチョイスの末、彼女は一足のボタンオシドリの刺繍が施された靴を手に、満足げに店を離れたという。

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