「地坑院」は「天井院」とも言い、河南省など北方地区の平坦な黄土の地に数多く見られることから、北方の地下の四合院と呼ばれる。すでに約4000年の歴史がある。
一辺が10~12メートル、深さが約6~7メートルの正方形または長方形の坑を掘った後、四周の壁に8~12個の洞をうがち、庭の一角に面した洞に、住人が出入りするための地面に通ずる湾曲した道、門洞が設けられているのが地坑院。その優れた点は、手間や材料が省け、冬は暖かく夏は涼しく、風や音を遮る効果のあること。
こうした洞窟式の地坑院は現在、河南省三門峡一帯に比較的完全な形で残っている。“地下の村”は100カ所を超え、地坑院の数は1万近く。今でも「村に入っても家屋は見えず、声を耳にしても人は見えず」。現在でも使用されている地坑院はすでに200年以上が経つものがあり、6世代が生活してきた。
「チャイナネット」2005年7月20日