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仙境と言われる蓬莱の蓬莱閣

  

 

この世の仙境と言われる蓬莱は、渤海と黄海の交り合う海辺、山東省蓬莱県の丹崖山の頂にある。海上の三つの仙境、蓬莱、方丈、瀛州は昔から、神仙がいて山上には不老長寿の薬があると言い伝えられた。史書には、秦の始皇帝と漢の武帝が神仙と薬を探してみずから訪れたと記されている。有名な「徐福、神仙をたずねる」「八仙人、海を渡る」の物語は、いずれもここが舞台なのだ。

蓬莱閣は海沿いの丹崖山上に高くそびえ、前には松や柏の緑が濃く、花々が咲き乱れている。唐の貞観年間、ここに海神廟があったが、宋の嘉祐年間、平地に移され、高い崖の上に蓬莱閣を建てたが、明代の改築、清代の再建を経て更に壮観の度を増した。北宋の大文学者、蘇東坡らがここの美しさを詩文や書に残したので、蓬莱閣の名は天下にとどろいた。現在は敷地3万2800平方メートル、建築面積1万8900平方メートル、呂祖殿、三清殿、蓬莱閣、天后宮、竜王宮、弥陀寺と六つの建物がそれぞれ亭や台を従え、配置も巧みで独自な風格を有している。蓬莱閣は二層で高さ15メートル、二重のひさしで八角形、回廊をめぐらし雄大、端正な姿だ。中央にかけられた「蓬莱閣」の金字の横額は、清代の著名な書道家、鉄保の筆になる。

蓬莱仙境は何の根拠もなく言い伝えられたのではない。毎年春夏秋、光線の反射と屈折で向うの海上に蜃気楼が現れる日がある。その不思議な景観は、蓬莱閣におのずと超俗的な仙境の風格を添えるのだ。

ここは歴代の文人学者が風雅な集いをしたので、石壁には沢山の詩が彫られ、二百余りの石碑が林立している。閣には代々の出土文物も収蔵されている。

「人民中国」より 2007年7月12日

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