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痩西湖の風景を引き立てる五亭橋

江蘇省の揚州。歴史的によく名の知られた古都です。揚州の北西部にある痩西湖。もともとは保障河と呼ばれ、隋唐時代から有名な庭園として名を馳せていた。とくに清代には、塩の商人がこの地に集まり、豊かな財をもとに数多くの庭園を築造した。

痩西湖で最も典型的な建築物が、この五亭橋である。蓮の花の茎の上に造られたことから、蓮花橋とも言われていた。異体の造形は、中国に現存する橋の中でもまれなものである。建造が始まったのは、清代の乾隆22年(1757)。この年、乾隆帝は二度目の江南巡幸に出かけており、塩商たちはそれに間に合うようにと、工匠に命じて造らせたのである。

橋の上に五つの方亭が建てられている。重檐の主亭を真中に、それを囲むように配置された単檐の方亭が四つ。屋根の中央に突き出た宝頂、上にそりかえった檐、美しい図案が施された天井板。亭と亭の間には回廊が走っている。橋身に大小異なる洞が見える。最大の洞は、7.13メートル。それぞれの洞はお互いにつながっていて、中から見る外の風景は、洞ごとにまったく違うのである。月夜には、どの洞内の水面にも月が美しく映り、銀色に光る細波とともに湖の風景を際立たせている。

庭園をひきたてるのは、橋と亭。ですから、ごく普通の橋を配置したのでは効果は出ない。変化に富む五亭橋は、このことを教えている。

「人民中国」より 2007年7月16日

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