江西省婺源の儺舞は「鬼舞」もしくは「舞鬼」と呼ばれ、悠久な歴史、豊富な演目、独特な風格を持つ。儺舞は古代舞踊芸術の歴史研究の「生きた化石」であり、国内外の専門家・学者から注目されている。
婺源の儺舞は悠久な歴史を持ち、明朝初期にもその巡業に関する記載が存在する。婺源の儺舞にはかつて100以上の演目、200以上の仮面があった。社会や歴史などの原因により、婺源県秋口鎮長径村の「駆逐儺神班」の役者は19人、仮面は30余り(4つは原始的な木彫の仮面)となっており、24の演目が上演可能だ。
婺源の儺舞はその他の地方からほとんど影響を受けておらず、荒っぽいが素朴で洗練された味わい、誇張じみた鬼気迫る独特の風格がある。音楽の伴奏は歌と同時に終わり、打楽器、曲、歌によって構成される。専用の銅鑼楽譜と曲がある。
婺源の儺舞は素朴な舞踊の風格と数多くの演目により、豊富な伝統文化の中身を引き継ぎ、重視されている。文革後、婺源のその他の郷村の儺舞が失われ、長径村の芸術家が後継者としての責任を担った。現在のメンバーは19人で、多くが50代の人だ。村の若者の多くは、儺舞では生活が成り立たないことを心配し、出稼ぎに出ている。長径村は現在も旧暦の1月2日に儺神を招き、儺舞を踊る伝統を留めており、五穀豊穣と子孫繁栄の美しい願いを託している。
婺源の儺舞は中国国務院の承認を経て、2006年5月20日に第1陣となる国家級無形文化遺産リストに登録された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年4月17日