スイ族は服の色彩に対して特別な美意識がある。その美意識は、彼らの謙虚で恥じらいのある倫理道徳観と関連がある。そして彼らの好きな色調は、緑にあふれる自然と合ったものである。藍色や青色は冷色系だが、日蔭や清らかな川の水が持つ爽やかさ、柔らかさに通じる。彼らにとって心を和ませるものなのである。スイ族にとって服飾上の禁忌は赤と黄色だ。特にギラギラした赤と黄色はダメである。服飾の色彩において彼らは独特の美意識があり、だからこそ古代からの伝統を踏襲できているのだ。
スイ族の服は、日常服と祭事服の2種類に大別できる。男性の日常服は漢族の服とほぼ同じで、前ボタンで素材は手織り木綿。ボタンの数は7、9、11など奇数個で、服の長さは腰まである。長ズボンを穿いており、帯で縛っている。
女性の日常服は、素材は手織り木綿か機械織りの藍色木綿。上着は腰まであり、襟がない。服には刺繍が施され、冬には碁盤縞の頭巾や刺繍の布ぐつを身に付ける。年輩の婦女は髪の毛をてっぺんで束ねる。若い婦女が髪を結うときは、木のくしで髪を右側から回し、銀のかんざしを挿す。そしてイヤリングや銀の腕輪、銀の首飾りを身に付ける。お祭りや結婚式の際、スイ族の若い女性たちは頭一杯に銀のかんざしを挿し、銀の装飾品を身に付け、刺繍のくつを穿く、彼女たちが参加することで華やかな情景となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月9日