近年、中国国内の旧村では集落の過疎化が著しく、消滅の危機に面している村落も少なくない。住建部の統計データによると、全国における自然村の数は1984年の420万箇所から2012年には267万箇所に減っており、年間で平均約5.5万箇所の自然村が消失していることが分かる。
山西省に数多く分布する旧村を訪問したところ、過疎化による空き家や老朽建築物の放置、立ち退きや建て替え等により、数多くの村落で従来の景観が損なわれている。村自治体関係者によると、これらの村落では自力で再生できる能力がないため、社会の各方面から農村文化を保護していく必要がある。
国家新型都市化計画(2014~2020年)には、自然村の機能向上を行ない、田舎の景観、民族文化、地域文化の特徴を保持し、歴史、芸術、科学的価値を持つ村落、少数民族の特色を持つ集落、古民家を保護していくことが強調されている。村落の多くが、文化的資源、観光産業開発などを通して、村落の維持・利用を模索している。村落の田舎の暮らしや人情あふれる付き合い、伝統文化や風習が現代文明と上手く溶け合うことが、村落の再生力を育むことになるのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年8月19日