東北地方で最も重要な湿地帯とされる丹東の鴨緑江湿地帯。秋になるとアシが繁り、数多くの鳥が飛翔する。この風景は多くの写真愛好家を魅了している。丹東鴨緑江湿地帯は、淡水生態と海岸生態の国家級湿地保護区となっている。
鴨緑江湿地帯は中国の海岸線の最北端に位置し、内陸地と砂浜、海洋の三大生態系が交差する場所である。そこではアシの湿地帯、沼沢、沼地、潮沼、河口など複雑で多様な生態系が混在する。自然環境は特殊で、デリケートで、脆い。湿地生態系は長い過程を経て形勢されたもので、複雑である。
朝鮮に隣接するこの保護区は、湿地生態系と希少野生動物を主要な保護対象としている。365種類の植物、250種類の鳥類、76種類の魚類、103種類の底生生物が保護対象となっている。中でも鳥類は、世界絶滅危惧種のズグロカモメと斑背大尾鶯(ムシクイの一種)、国家一級保護鳥類のタンチョウヅル、マナヅル、ハクツル、コウノトリなど8種、国家二級保護鳥類のオオハクチョウ、マガンなど29種と豊富である。「中日渡り鳥保護協定」で指定されている327種のうち、保護区では114種が発見されており、35.2%を占める。「中豪渡り鳥保護協定」で指定されている81種のうち、保護区では43種が発見されており、53%を占める。
保護区内には289種64科の高等植物が生息している。浮遊生物が比較的多く、魚類の餌場になっている。74種の貝類、88種の魚類が生息している。湿地帯は渡り鳥の重要な休息地であり、北に向かう渡り鳥にとっては最後の休息地となっている。そのため毎年5~6月は休息する鳥で賑い、その数は40万羽以上に上る。鴨緑江湿地帯は天然の遺伝子バンクなのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月24日