浙江省瑞安市の平陽坑鎮東源村には、木活字印刷博物館がある。現在も使用される、伝統的な木活字印刷技術によって作られた印刷物が展示されている。ここでは、中国古代木活字印刷の工程を完全な形で見ることができ、称賛を集めている。
木活字印刷は元の大徳年間に始まった。農学者の王禎が発明したものである。木版に反転させた文字を刻み、それから刀で綺麗に修正する。文字の大小や高さを統一してから文字を並べる。竹片を使って行間を作り、枠全体に並べる。小さな竹片を使って全体を平にして塞ぎ、墨を塗って紙に貼りつける。東源村に住む木活字印刷職人の王一家は、元代の先祖である王法懋から当代の王超輝(1955年生まれ)まで、800年以上14代続いている。
現地住民によると、東源村で木活字印刷が栄えたのは、仏教経典の印刷が行われていたからだという。その後、家系図の印刷などに事業の中心が移りながら現在に至っている。東源村の木活字印刷は中国の伝統的な印刷技術を伝える実例の1つといえるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月23日