南京大学など4大学のボランティア60人余りが、夏休みの1カ月以上を費やして初めて南京周辺の農村地区に入り、南京大虐殺の生存者の口述証言の記録に取り組んでいる。担当者である南京大学歴史学科の張生助教授の元には、26日までにすでに150の「証言」が届いており、来年にはまとめて出版できる見通しになった。
「これらはわれわれ民族にとって最も痛ましい記憶で、南京大虐殺の極めて貴重な証拠でもある」と、張助教授は資料をなでながら感慨深げに話す。張助教授は、「このような方法を採るのは、直接証拠を得ることができるからだ。最も直感的で、最も衝撃的で、公証を経れば法的効力を持ち、南京大虐殺を否定する日本の右翼勢力への反撃に向けた動かぬ証拠となる。また、生存者の多くが高齢者のため、口述記録の方がやりやすい」と説明した。
張助教授によると、南京大虐殺史の口述の研究は従来より都市部だけに限られ、郊外は軽視されてきた。南京の広大な農村地帯は発展が相対的に立ち遅れ、人口の流動も相対的に小さかったことから、口述史料の収集は進めやすい。今回の収集活動の対象は、江寧、栖霞、雨花台、浦口など30余りの村落。南京大虐殺のさらに多くの真相が明らかになり、江北地区の大虐殺に関する研究が遅れていた史学界の状況が一変した。
「人民網日本語版」2004年7月27日