北京市にある清華大学人文社会科学院の李強院長は24日、「2004アジア教育北京フォーラム」で発言し、中国の中産階級について次のような指摘をした。
中国の中産階級はまだ弱小勢力であり、合計しても就業人口の15%に満たない。十分なパワーを持つ中産階級の形成は、今後しばらくは見込めない。
中国には統一的な「中産階級」の概念がなく、中産階級にあたるグループの内部にも、大きな格差がある。中産階級は4つのグループに分けられ、経済力、ライフスタイル、学歴などでは共通性より格差の方が目立つ。つまり、中国にとっては統一的な中産階級の形成は非常に難しい。
中産階級の4つのグループとは、(1)伝統的な組織幹部や知識層、(2)高学歴で、産業構造の上部階級に位置し、所得が目立って高い、大都市型の「若手新中産階級」、(3)業績が比較的良好な国有企業、株式制企業、または経営状態が比較的良好な企業などの従業員、(4)個人経営者、私営経営者、特に中小企業の経営者――を指す。
中でも(4)に当たるグループは近年台頭が目覚しく、就業人口の5~6%を占めるまでになっている。この状況が続けば、中小企業の経営者が中産階級の主力を形成する可能性もある。
「人民網日本語版」2004年8月25日