上海の大手外資系企業では、中国人従業員の離職率が年間40%に達している。東華大学の顧慶良教授と米ルイジアナ大学のジョージ・グレイン教授が21日発表した共同研究レポート「外資企業の文化衝突と文化間の管理」で明らかになった。同研究は、上海の外資企業33社に勤務する経営学修士号(MBA)を持つ中国人職員など幹部クラスの管理職を対象とした、6年間にわたる調査を基にしている。
レポートは、外資企業の中国人管理職の離職率が高い理由として、次の3点を挙げている。
(1)年齢的要素:外資系企業は30歳以下の若手幹部の採用に熱心。外資企業に勤める中国人若手管理職は、数週間ごとにヘッド・ハンティング会社からの電話を受け、給与や待遇のより良い仕事を紹介されている。
(2)学歴:大卒や大学院卒など高学歴の人材に対し、大手企業の需要がますます高まっている。
(3)文化的受容力:年齢と学歴のほか、欧米式の企業文化を理解し、受け入られるかどうかも、離職率に関わる問題だ。会社への残留を希望する高学歴の若手管理職が解雇されるケースも多い。
調査の中で、両教授は外国人上司のやり方に合わないことを理由に退職するケースが多いことに気づいた。会社の中で外国人上司からよそ者扱いされたり、中国の国情を考慮するよう提案しても上司が受け入れなかったりするケースが相次ぎ、会社の「二等国民」扱いを感じるという。
外資系企業を離れた中国人元管理職らは、「外国人上司の多くは、中国人と中国文化に対する理解が足りず、中国を学び、理解する気もない。このような上司とやっていくのは苦痛でしかなく、退職するしかなかった」と話している。
両教授は、外資系企業の外国人上司に対し、赴任までに相応の研修を受け、中国文化や中国人の考え方、日常の行動パターンなどをある程度理解するよう提案している。
「人民網日本語版」2004年9月22日