北京市の北方工業大学で21日、マナーに欠けた行動が学内に目立ちつつあることを憂慮したベテラン教員が、学内の食堂で「学内のマナー問題」をテーマとする「写真展」を開始した。落書きされた机の写真、破損した図書館の本、公の場でラブシーンを繰り広げるカップル――。教員自らが撮影した写真が食堂の窓ガラスに掲示され、学生の間で大きな反響を呼んでいる。
「写真展」は、1日のうちに全学の学生に知れわたった。「写真の一部は日常的に見られるシーンだが、身の周りでここまで深刻な状況が起こっているとは想像もしなかった」と、写真を見た学生たちの多くは驚いた様子だ。
学生たちの関心を特に集めたのが、一番最後の窓ガラスに貼り付けられた写真だ。掲示された写真は、教室、ベンチ、廊下など学内のさまざまな場所で抱き合うカップルたち。真中の1枚は、男子学生の胸元に女子学生が寄り添うようにして抱き合い、ベンチに座っている様子を背後から撮影したもので、もっとも人目を引く。
「写真展」を企画したのは北方工業大学の共産主義青年団委員会書記の何裕さん。何さんの説明によると、新型肺炎SARSがまん延した昨年、大学の検査で、衛生観念やマナー、責任感に欠けた学生が多く、深刻な状況であることが分かった。これを受けて、何さんらは今年3月から学内のマナー問題撲滅活動の準備に取り掛かり、半年かけて展示の準備をしたという。
何さんは学生のラブシーン写真について、「私的な場なら反対はしないが、公共の場では不適切」と話している。
写真は、学生の関心を最も集めたカップルの写真
「人民網日本語版」2004年9月23日