「中国住民栄養・健康状況調査報告」に関する専門家の研究会が9日に開かれた。出席した公衆栄養発展センターの于小冬主任(栄養学専門)は発言の中で、中国国民の食生活や栄養には非常に注目すべき5つの問題点があると指摘した。
(1)並存する栄養不足と栄養過剰
「都市と農村」という経済の二元化の影響で、全国の栄養問題は、栄養不足と栄養過剰へと二分化する傾向が強く現れている。地域別の分布状況をみると、これまで農村が栄養不足、都市が栄養過剰という傾向が一般的だったが、今回の調査によれば状況はさらに複雑で、都市の中にも栄養不足が、農村の中にも栄養過剰が見られることが分かった。
(2)のしかかる貧困村の栄養問題
今回の調査によると、貧困な農村では、栄養問題をかかえる人の割合が3分の2以上に達し、身体の発育や知能の発達が影響を受けている。
(3)急増する慢性疾患の抑制
現在、食卓の栄養バランスに関係する慢性の非伝染性疾患が人々の健康や生命に対する脅威となっている。
(4)重視すべき乳幼児の栄養
今回の調査によると、栄養に関する知識、経済的条件、育児の習慣などの制約を受け、中国の乳幼児の栄養状態はまだ満足すべき状況にない。特に農村と貧困地域で突出した問題になっている。
(5)欠如する栄養学の知識と概念
長い食文化の歴史を持つ中国で、かつては多くの人々が食事を「満腹する」ためのものと認識していたが、今は一歩進んでも「良いものを食べる」ことに関心が集まっている。しかし何が「良い物」であるかについては、誤った認識を持つ人も多い。多くの人が食事の見た目や、香り、味などを基準にするが、栄養に関する科学的な概念や、栄養バランスの必要性に対する認識を欠いている。
「人民網日本語版」2004年11月10日