上海市婦女保健所の最近データによると、市内の病院の産婦人科ではここ数年、出産方法に帝王切開が選ばれる割合が約60%にまで上昇しており、一部では80%に達している。数年前には、帝王切開の割合はわずか20%程度だったという。
一部の病院では利用者の増加を目的に、母体の状態に関係なく、何の説明も行わずに、帝王切開を希望する母親の要望にすべて応えている。このため、帝王切開の割合が高くなったとされる。
帝王切開は本来、難産を助けるため、または新生児を救うための緊急手段であり、帝王切開を選ぶかどうかは医師が判断する。これまでは帝王切開に対する規制が厳しく、市の衛生局は20%程度に抑えるよう定めていた。しかし、最近は「分娩方法の選択権を持つのは妊婦」という考えが主流になり、こうした規定は形骸化している。
上海市婦女保健所の賈万リョウ(土へんに梁)所長は、「妊婦はたいてい自然分娩の苦痛を怖がり、心理的に自然分娩を受け入れにくいようだ。妊婦やその家族は帝王切開が簡単で安全だと信じているため、大多数がやみくもに帝王切開を選んでいる」と話す。
復旦大学附属産婦人科病院の李笑天教授(産婦人科責任者)は、「実際のところ、自然分娩は始めは大変だが後は楽で、帝王切開は始めは楽だが後は大変。妊婦や家族は分娩の苦痛を考えすぎるあまり、帝王切開が人体にもたらし得る害を軽視している」としている。
「人民網日本語版」2004年11月10日