学校に通ってもほったらかし、通わなくてもほったらかし、数年通ってまたほったらかし、それなら今放っておけばいいのに――。
四川省大涼山イ族自治州に住む農村の子供たちの間で、こんな童謡がはやっている。国は西部地方の教育に力を注いでいるものの、教育リソースに恵まれず、教師陣や教学水準も十分に確保できないため、学齢児童が学校を放棄せざるを得なくなる。
昭覚県は大涼山の中腹にあり、かつては涼山州政府の所在地だった。2003年末現在、県人口は21万2千人で、うち農村人口が94.4%。半農半牧の寒冷な高山地域で、農村人口の97.3%をイ族の人々が占める。1987年、国家級貧困県に初めて指定された。
同県では、四川大学研究生教育支援団が教育支援活動を展開している。団長を務める康凱さんによると、昭覚県には中学校(中高一貫校含む)と小学校が2校ずつあるが、的確な教育支援を受けられるのはインフラ条件に比較的恵まれ、生徒数も多い小学校、中学校各1校だけで、農村の生徒が中心となる他の2校は、これに比べ条件がかなり悪いという。
康さんはこう語ってくれた。「西部の他地域で教育支援に参加している大学生との交流で、国が西部の教育を支援する必要性や、教育の現状を変えることの困難をみんなが感じていることがわかった。自分の一年間の教育支援は小さな力だが、こうした『小さな火』を、西部の教育事業への関心・支持という『大きな火』していきたい。西部地方の義務教育には長期的な支援が必要。全社会の協力と努力により、西部地方の教育をめぐる現状が改善するよう願っている」。
写真(左):粗末な教室で、子供たちへの授業を行う大学生の解軍霞さん
写真(右):弟をおんぶして登校する女子児童
「人民網日本語版」2004年11月18日