「あなたは今、日本に親しみを感じますか?」「あなたが日本に親しみを感じる、または親しみを感じない理由は何ですか?」――こうした質問に「親しみを感じない」と答えた市民が31.2%、「親しみをまったく感じない」と答えた市民が22.4%。この2つの回答の合計が半数を上回った。日本に「親しみを感じない」と答えた人のうち、その理由として「日本が中国侵略の歴史を今なお真摯に反省していないから」と答えた割合が61.7%だった。
これは中国社会科学院日本研究所が行った最新の中日世論調査データの一部だ。調査レポートの全文は間もなく発行される2004年第6期「日本学刊」に掲載される。この世論調査は今回が2回目。前回は中日国交正常化30周年に当たった2002年で、社会科学院日本研究所がこのとき初めて大規模なアンケートを行った。
2回目となる中日世論調査は04年9―10月の間に行われた。その結果は、中国の市民にとって日本に親しみを感じないとする意識が明らかに強まった。この2年間で、中国の市民が日本に「とても親しみを感じる」「親しみを感じる」と答えた割合は5.9%から6.3%にわずかに上がっただけ。「まったく親しみを感じない」「親しみを感じない」と答えた割合は43.3%から53.6%に激増し、半数以上の中国市民が日本に親しみを感じていない。
「とても親しみを感じる」「親しみを感じる」理由として、「長い中日友好交流の歴史」が25.3%、「日本の経済・技術の発達」が31.2%、「中国への経済援助」が4.8%、「日本への留学・旅行経験」と「日本人の友達がいる」が4.8%、「家族または親友が日本にいる」が8.1%、「その他」が12.4%、「わからない、不回答」が8.6%だった。
「親しみを感じない」「まったく親しみを感じない」理由として、「近代における日本の中国侵略」が26%、「日本が中国侵略の歴史を今なお真摯に反省していない」が61.7%、「日本が米国と軍事同盟を結び、中国の安全にとって脅威」が6.9%、「かつて日本に留学または旅行して不愉快な経験をした」が0.2%、「自分または親友と日本人との間に不愉快なことがあった」が0.7%、「その他」が1.2%、「わからない、不回答」が3.3%だった。
この調査結果について、中国社会科学院日本研究所の蒋立峰所長は文章の中で「アンケート回答者が日本に『親しみを感じる』または『親しみを感じない』とする理由は、主に個人の感情や恩讐によるものではなく、歴史観が大きく、また政治観や経済観も一定の影響を及ぼしたと思う。比較すると、日本との直接的関わりは二の次で、さらにこの要素は『親しみを感じる』と答えた人への影響が『親しみを感じない』とした人への影響より若干大きい」と指摘した。
調査はまた、中日関係の順調な発展を阻害している一連の問題についても質問した。「あなたは日本の首相による靖国神社参拝をどう評価しているか」との質問に、回答者の42%が「いかなる状況でも参拝するべきではない」と答え、5%が「これは日本の内政問題。参拝してもよい」と答えた。「あなたは日本が再び軍国主義の道を歩むことを心配するか」との質問に、「とても心配する」と答えたのが31.9%、「心配する」が22.9%、「心配していない」が13.5%だった。「日本が国連安全保障理事会の常任理事国になるのをどう思うか」との質問に、「断固反対する」は34.5%、「反対する」が22.2%、「支持する」はわずか2.1%のみだった。
今回の中日世論調査は中国社会科学院日本研究所が独自に行ったもので、アンケート用紙を無差別抽出で3300件に送り、2987件の回答があった。回答率は90.5%。調査範囲は全国の省・自治区・直轄市の大半に及び、異なる世代、民族、学歴、職業から回答者を選んだ。
「人民網日本語版」2004年11月25日