衛生部は2日、「第3回国家衛生サービス調査分析報告」を発表した。国民の医療サービス利用率は過去10年で明らかに低下し、「自己治療」に頼る人が年々増えていることがわかった。年間受診者数は1998年から5億8千万人減少し、のべ47億5千万人だった。平均入院率もある程度減少している。
国民の36%は発病しても病院へ行かず、自分で薬を買って治療している。しかもこの割合は年々増加しており、農村では1998年の23%から31%に、都市部では44%から47%に増えている。原因としては次の3点が考えられる。
(1)低い医療保障カバー率
都市住民の50%以上、農村住民の80%以上は何の医療保障も受けていない。1993年時と比べると、都市住民の約23%が各種医療保険から離脱している。その多くは労働医療保険に加入する従業員の家族や、失業・レイオフなどで職場を離れた人々だ。農村では、医療保障を受けられる人の割合はわずか12.6%。「農村合作医療制度」も人口の9.5%しかカバーしていない。
(2)医療費の高騰
医療費は平均収入の伸びを上回る速さで高くなっており、家庭ではすでに食費と教育費に次ぐ大きな出費になっている。
(3)低所得層・辺境農村地区の問題
低所得層や辺境農村地区の人々は医療サービスを受けにくい。低所得層では、「入院すべきだが入院していない」人の割合は41%で、一般所得層をはるかに上回っている。
「人民網日本語版」2004年12月3日