ホンダのスポーツ用多目的車(SUV)「CR-V」にデザインが酷似したSUV「来宝S-RV」を生産しているとして、ホンダが河北省の石家荘双環汽車公司双環汽車を意匠権侵害で訴えていた案件について、最高人民法院は14日、案件を2つの部分に分けて審理を進めることを決定した。ホンダ中国の関係者が明らかにした。
これにより、「来宝S-RV」が意匠権を侵害しているかどうかについては石家荘市中級人民法院(地裁)で、車体前後のバンパー部分の意匠権侵害の有無については北京市高級法院(高裁)で、それぞれ争われることになった。
ホンダ側の賠償請求額は、2案件合わせて1億元に上る。
2003年9月、ホンダ側は、双環汽車がまだ正式に生産開始していない「来宝S-RV」のデザインがホンダの「CR-V」に酷似していることを発見した。ホンダは双環汽車に生産停止を申し入れたが、拒否された。同年10月16日、双環汽車は石家荘市中級人民法院で、「意匠権を侵害していないことを確認することを求める」訴訟申請を提出した。ホンダは同年11月13日、デザインでの意匠権侵害を理由として、双環汽車を告発する訴状を北京市高級人民法院に提出した。バンパーをめぐる訴訟は、対象となる金額が2千万元と低額であるため、北京市高級人民法院は同案件の審理を北京市西城区法院に託した。車全体が対象となる案件(賠償請求金額8千万元)の審理は、石家荘市中級人民法院に託された。
ホンダ中国の朱林傑氏(広報担当)によると、ホンダはこのほか今年10月にも、「CR-V」のデザインの意匠権を侵害したとして、東風ホンダと共同で、河北新凱汽車製造公司を北京人民高級法院に提訴した。これに先立ち、ホンダは「CR-V」の意匠権侵害をめぐり、中国国内の自動車メーカー11社を起訴すると表明している。双環汽車と新凱汽車のほか9社については、まだ法的措置に入っておらず、それぞれ交渉が行われている。
「人民網日本語版」2004年12月15日