第二次大戦中、山西省大同市で旧日本軍による侵略の犠牲者が埋葬された穴「万人坑」の犠牲者数が、これまでの推定数6万人を大きく上回る15万5千人以上に上ることがこのほど明らかになった。大同炭鉱「万人坑」第二次大戦歴史研究会の事務局長を務める同省の研究者・李進文さんの最新の研究成果によりわかった。
大戦中、旧日本軍は戦争遂行のために中国の石炭資源を略奪し、各地の炭鉱では中国人労働者が過酷な労働を強いられた。大同市のある廃坑は、飢えや病気、負傷などで死亡した中国人労働者の遺体が投げ込まれただけでなく、病人や負傷者が生き埋めにされるなどして、悪名高い「万人坑」となった。
李さんは当時の労働者の生存者および犠牲者の遺族ら数百人への聞き取り調査と、東北三省(遼寧省、吉林省、黒竜江省)の8つの資料館での40万字を超える文書の調査を通じて、このほど約15万字の研究書を完成させた。
李さんは「大量の証言と証拠を集めた。これは今後の損害賠償請求訴訟での系統的、総合的かつ有力な証拠になるだろう」と話している。
李さんは1963年から旧日本軍の犯罪の証拠収集を始めた。研究書では、旧日本軍が大同市の資源に着目してから実際に略奪するまでの経緯や、労働者の募集から死亡に至る過程など21項目について、詳細な論証と分析がなされている。また各章に旧日本軍関係者の証言が収録されている。
「人民網日本語版」2005年1月11日