北京晨報の報道によると、「中華人民共和国個人信息(情報)保護法」の草案がこのほど起草されたという。法案は、国務院情報弁公室の委託で、中国社会科学院法学研究所の一部の専門家による作業部会が起草したという。作業部会チーフを務めた同研究所の周漢華研究員は「われわれの伝統の中で、個人の権利は往々にしてないがしろにされてきた。このため、個人情報が悪意で侵害される状況が何度も発生する事態をもたらした」と話している。
周研究員によると、専門家グループが2003年から起草を始めた同法案は現在すでに完成し、国務院情報弁公室に提出済みで、間もなく法律制定の段階へ入るという。個人情報保護に関する法律制定の重要性と緊迫性のため、周研究員は同法が制定されるまで「それほど時間はかからない」と考えている。
個人情報保護に言及すると、人々はよくプライバシー保護を思いつく。周研究員は「個人情報保護法」が守る範囲は市民個人のプライバシーだけに限らないと言う。「現行の法律から言って、個人情報保護法における個人情報の範囲はプライバシーより大きい。例えば、あなたの個人の携帯電話の番号、家族の住所、あなたの薬の処方箋、あなたの職業状況など、これらはプライバシーとまでは言えないかもしれないが、この法律が保護する範囲に属する」
このほか、公共の場所での監視カメラの設置や、隠し撮りや盗聴行為などについても、同法は規範を定めるという。
周研究員は「個人情報保護法は、個人の権利を保護しなければならない一方、正しい情報が伝わるのを妨げることはできない。個人情報を十分に保護しなければならない一方、必要な社会の管理監督にも必ず考慮しなければならない。両者の利益関係のバランスをいかにとるかが、現在の重点課題なのです」と指摘している。
周研究員によると、以前は個人のプライバシー保護の方法について、往々にしてただ侵害事実が起きた後、侵害された人が訴訟を通して権利侵害者に賠償を求めることしかできなかったという。個人情報保護について現在、事後の保護だけではなく、事前の予防も含むと考えられる。
「人民網日本語版」2005年1月19日