新鮮な花をキログラム単位で売られていることは雲南省の18の不思議の一つである。四季が春のごとしと言われる雲南省では、四季に花が満開となり、花が多いので、キログラム単位で売られていることは何も不思議ではなくなっている。この花の咲きほこる紅土地の上で、新鮮な花は観賞用植物だけではなく、食卓の名物料理でもある。
中国の植物学者馮国楣氏の研究結果によると、雲南省には観賞用の野生植物が2500種以上もある。この花の品種遺伝子バンクの中の多くの花は食用が可能で、例えば火のように赤いパンャの木の花、純潔で優雅な幽蘭の花、香りの豊かなジャスミンの花、山肌に覆うように咲いているツツジの花、しなやかなモクレンの花などは、食用が可能な花の中では高級品と見なされる。雲南省の人たちは春が去って花が散ることを非常に惜しみ、雲南省の人たちの花を食用とする歴史は、さまざまな史料の記載によると、千年以上の昔からのことである。春になると、人々はみな山に登り、野生の花を摘み取りながら山間地帯ではやっている民謡を歌い、採取したさまざまな花を持ち帰って干したり漬けものにしたりし、容器の中に貯えて食用に備えるのである。
タイ族の人たちが開設している料理店では、ほとんどのメニューは花を材料とした料理であり、さまざまな花を材料とする料理にはまた非常に美しい名称が付けられている。例えば、「天女下凡」(仙人の女が俗世間に降りてくる)という料理には棠梨(ナシの一種)の木の花が材料として使われ、「人間仙宮」(この世における仙人の住む宮殿)という料理は幽蘭の花のつぼみが材料としている。タイ族の人々の花を材料とする料理は自然の味を大切にし、色も香りも兼ね備えており、さらに料理の外観の色合いにも凝っている。花を材料にした豊富多彩な料理を目の前に置かれると、コンパクトな花園が目の前に現れたような気がし、赤いものはかすみのごとし、白いものは玉のごとし、黄色いものは金のごとし、藍色の料理はダイヤモンドのごとしで、ほとんどあらゆる色彩のものが割れ竹で編み上げられた食卓の上に並べられることになる。
花は料理の材料でもあるし、良薬でもある。漢方薬草の図をひもといて見ると、花を咲かせるものが半数以上を占めている。この半数以上の薬用の花はつねに雲南省の各民族の人たちの食卓に現れ、紅土高原の飲食文化をより豊かなものにしている。
「チャイナネット」2005年1月27日