中国ではつい最近まで、大みそかになると必ず一家が集まり、手作りの晩餐をにぎやかに囲むのがお決まりだった。しかし近年、生活レベルの向上や、便利さ、快適さといった概念の浸透により、「大みそかの晩餐」は4段階の変化が表れている。まず、家庭で作っていた料理を、コックを招いて作らせるようになった。次に料理の宅配がブームになった。現在では、レストランへ直接出向いて晩餐を楽しむケースが増えている。
北京の大型レストランは、約2カ月前から「大みそかディナー」の予約を次々とスタートした。一部高級ホテルを除き、手ごろな価格帯のレストラン、家庭料理店はほぼ予約で一杯だ。
市内の高級ホテル・中国大飯店(五つ星)の姜さんによれば、今年の大みそかの個室予約率は約70%。テーブル単位の予約もある。老舗高級ホテルとして知られる北京飯店(五つ星)の予約担当者によれば、今年は大みそかなど旧正月前のディナーの売れ行きが好調だ。
情報産業(IT)業界で働く女性、許さんは「大みそかの晩餐をレストランで食べると、手間が省ける。仕事がめまぐるしいため、大みそかの晩餐を準備する時間や気力はもう残っていない。レストランのミドルクラスのコースなら、料理の量も質も悪くないし、価格的にも受け入れられる。通勤族にとって、大みそかの晩餐は外で食べるのが一番」と話している。
中国社会科学院・財政貿易研究所のある専門家は、「大みそかの晩餐」の舞台が家庭からレストランへ移った背景には、人々の生活水準や消費水準の向上、味覚への要求の高まりがあると分析する。
「人民網日本語版」2005年2月5日