中国のインターネット掲示板で最近、「完全自殺マニュアル」というタイトルの書き込みが相次ぎ、多数の若者や保護者から対策を求める当局への通報が相次いでいる。日刊紙「中国青年報」が伝えた。
「自殺したいですか?生活が大変すぎると思いませんか?天国へ行きたいですか?こちらに来て見てください。『完全自殺マニュアル』。このチャンスは絶対に逃がせません」――。これは、あるウェブサイトに書かれた「完全自殺マニュアル」のキャッチコピーだ。同マニュアルは、具体的な事例を交えて12種類の自殺方法を紹介。各方法の準備方法、長所、短所、注意事項などが詳細に記されており、自殺方法の苦痛、手間、遺体の状態、他人への迷惑度、自殺成功率などの五段階評価が星印で示されている。「中国青年報」の調査によれば、10を超えるウェブサイトで同様の書き込みが見つかっている。
「完全自殺マニュアル」の内容には、(1)自殺の美化:自殺方法を「穏やか」、「悲壮」、「特別」という言葉で表現している(2)自殺の教唆:自殺を選んだ美女や英雄の事例を挙げたり、自殺は特別な品位を示す方法であると吹聴したり、中には「天井を血で染める」感覚を試すよう勧める言葉も見られる(3)自殺者の自殺成功を祈る言葉が見られる――といった特徴がある。一連の「注意事項」は、自殺成功率を保証するために書かれたものだ。
首都師範大学カウンセリングセンターの責任者、藺桂瑞主任は「完全自殺マニュアル」について、「これは人命を損なうもので、犯罪だ」と指摘。「自殺がこれほど素晴らしいなら、なぜ彼ら(宣伝者)は実践しないのか」と憤然と語った。
中国青少年研究センターの孫雲暁副主任は、こうしたネガティブで、青少年の生命の健康や安全に影響しかねない内容を宣伝する行為について、「生命をもてあそび、公民の権利を侵害した、犯罪傾向がある。こうしたウェブサイトを取り締まるべきだ」とした上で、「ウェブサイトを含むメディアには良心が必要だ。生命を尊重し、他者や自分を傷つけないことを情報伝達の最低限基準とするべきだ」と語っている。
「人民網日本語版」2005年3月21日