国務院扶貧(貧困扶助)弁公室の発表によると、収入が668元以下の農村部の「絶対貧困人口」は昨年290万人(10%)減少、924元以下の「低収入人口」は同640万人(11.4%)減少した。過去5年間で最大の減少幅だ。
しかし、中国はなお2610万人の「貧困人口」を抱える。また、貧困から脱したばかりの人々は災害などに耐える力が弱く、少しの異変で再び貧困化するおそれがある。2003年、過去20年間で初めて貧困化した人口が貧困を脱した人口を上回り、1460万人が貧困を脱する一方、1540万人が再び貧困化した。
専門家は、貧困人口の減少速度が今世紀に入り鈍化していることを指摘。その原因として(1)残された貧困層の大部分は生産・生活条件が特に劣悪な地域に居住しており、「温飽問題」(衣食の問題)の解決がこれまで以上に困難(2)衣食の問題を解決した貧困層の一部が、災害により毎年のように再貧困化している(3)一部地域での事業は、貧困救済の新たな変化に適応できていない――の3点を挙げる
中国政府は昨年の「世界貧困撲滅大会」で、2010年までに国内貧困層の衣食の問題をほぼ解決すると宣言。今年の貧困対策予算として、前年比8億元増の130億元を計上している。
「人民網日本語版」2005年4月4日