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投稿:「反日デモ」について

私は中国人民の皆さんに連帯して、否、本当に「連帯と団結」と言えるようなたたかいを実現するべく、これからもさらに奮闘していきたいと思います。

日本のマスコミでの所謂「反日デモ」について少し感想と意見を述べます。

第一に、「反日デモ」という言い方についてです。私はこの言い方に反対します。この「反日」という言い方は、小泉政権が政治的・意図的に使い、マスコミがその意向に添って大々的に報道して「世論」を一定の方向、すなわち再びの中国侵略戦争に誘導しているからです。

「反日デモ」という表現は、要するに「日本国家・日本国民に敵対する中国国家・中国国民」というニュアンスを含み、日本人民に、中国国家・中国人民への排外主義と憎しみ、敵対心を植え付けようとするものなのです。

「反日デモ」という言い方の次には、「中国は反日国家だ」「中国国民は日本国民の敵だ」「中国政府が取り締まらないなら、自衛隊を送って日本人を守れ」「教科書だ? 靖国だ? 歴史認識だ? ガタガタうるせーんだよ! 生意気なんだよ! 日本をなめんじゃーねー!そんな中国など戦争でぶっつぶしてしまえばいいんだ!」となるでしょう。すでにそういう宣伝をマスコミは始めているではありませんか。

ですから、私たちは「反日デモ」と言うべきではなく、「抗日デモ」と言うべきなのです。日本企業で中国人民・労働者のストライキもたたかわれています。このように、かつての抗日武装闘争と同じく、中国人民の今回のたたかいは「日本帝国主義による新たな侵略にたいする抵抗闘争」に他ならないと私は思います。「帝国主義」は過去の話しではなく、まさに今現在の話しなのです。

かつて中国人民は、1915年に日本が突きつけた、あまりにも不当な「21カ条の要求」に抗議し、1919年には歴史的な「五・四運動」に決起し、中国全土で抗日闘争を展開しました。これは、同じ年、日帝の植民地にされていた朝鮮でたたかわれた「3・1独立運動」と一体となって、その後の日帝打倒闘争の方向性を決したたたかいでした。この民族解放闘争の高揚に対して当時の田中義一内閣は「在留邦人の保護」を名目に山東半島に出兵し、侵略戦争を拡大していったのです。その結果どうなったでしょうか。中国人民数千万人の命を奪い、同時に日本人民も310万人の命が奪われ、すべてが戦争の犠牲となってしまったのです。

私は思います。中国人民のたたかいを日本人民が「抗日デモ」「抗日闘争」としてとらえたときに初めて、中国人民の怒りを理解でき、同時に、いわゆる「日本人民の歴史認識」も正されていくのではないでしょうか。

第二に、「暴力」の問題です。日本の若者から「背景は理解できた。でも暴力には反対だ」という意見が述べられました。私は、この考え方に反対です。非常に正直に言わせてもらえば、これでは「背景を理解できた」とは言えません。その「理解」はきわめて浅く軽いものと言わざるを得ません。

私から言わせれば、あの程度のことで「暴力だ」などと騒ぐこと自体がおかしいのです。これも「反日」と同じ手口なのです。小泉政権が意図的に「暴力」「暴動」「暴徒」とののしり、「謝罪しろ」「補償しろ」と言い、マスコミがそれを助長しているのです。やはり、中国人民への反発・反感を引き出すために言っていることです。

それにしても、日本政府が中国政府に「謝罪」「補償」を求めることなど、強盗の居直りと同じと言わなければなりません。だいたい中国侵略戦争に対して、日本政府は一度として言葉の真の意味で真剣な自己批判などしていないし、国家賠償も何もしていないではありませんか。軍隊慰安婦とされた人々への国家としての自己批判も謝罪も賠償も、今日まで拒否しているではありませんか。日本軍が遺棄してきた毒ガスによって現在も日々、中国人民は苦しめられていますが、これに対する賠償も補償もしていません。また、中国残留孤児の人々に対しても実に冷たい仕打ちをしているではありませんか。 従って、かつての戦争責任だけではなく、戦後責任、そして今現在の責任問題も厳然として存在しているのです。

日本政府が口にする「過去の反省」は、文字通り口先だけのことです。そして、返す刀で「いつまで謝ればいいんだ」と居直っているわけです。「反省とは変わること」です。口先だけで「反省」を言っても、実際には何もしていなければ、変わっていなければ、それは反省したことにはなりません。

さらに、次の問題もあります。すなわち、たしかに周恩来首相が「賠償は求めない」と言いましたが、それをいいことに、戦争犯罪人たち(天皇や軍人や政府や資本家や地主たち)は「助かった」と喜び、みずからすすんでおこなうべき責任をすべて放棄して居直っったのです。

だから私たちは、「暴力だ」「補償しろ」という一種の「トリック論法」を怒りを込めて弾劾しなければないのです。

次の例を考えればすぐに分かることです。昨年8月に米軍のヘリコプターが沖縄大学に墜落し、これに抗議する3万人の集会が開かれました。集会はものすごい熱気でしたが、表面的には整然とおこなわれました。もし、このときのデモで米軍基地に石が投げられ、ガラスが割れたとしましょう。そのときアメリカが日本政府に「謝罪しろ」「補償しろ」と言ったとします。沖縄の人々は、そして日本人民全体は果たしてどう反応するでしょうか。「ふざけるな! そもそも米軍が沖縄に居座っているのがおかしいのだ! 米軍は沖縄から、日本から出ていけ!」と猛然たる抗議の声がわき上がるのではないでしょうか。

また、私は、日本のいわゆる70年安保・沖縄・大学闘争をたたかった一人です。それはものすごいたたかいでした。多くの学生・青年労働者が逮捕されました。私も逮捕され10ヶ月間勾留され起訴され、有罪判決を受けました。機動隊によって虐殺された人もいます。機動隊からも死者がでました。その10年前の60年安保闘争では東大生・樺美智子さんが警察によって虐殺されました。これに抗議して、当時の全学連(ゼンガクレン。全日本学生自治会総連合)が労働者と一緒に、警察の装甲車を乗りこえ南通用門から国会構内に突入しました。

たたかいは、このように実力闘争として発展するものです。これは必然的なことです。こうしたとき、政府は必ず「暴力だ」「過激派だ」と言って非難するのです。

今の若い人たちは、こうした大きな激しいたたかいを経験していないから民衆の怒りの大きさ、深刻さ、その重みを本当には理解できていないのだと思います。それは、こうしたたたかいを実現し得ていない私たち大人の責任でもあります。

また、「笑いながらデモに参加している人や遊び気分の人もいるようだが、これはどういうわけか」という意見もありましたが、デモは自己解放のたたかいであり、何よりも楽しいものですから、ニコニコして当然なのです。さらには「デモの時、小日本と言っていたが、それは日本を蔑視した言い方だ」と言って中国人民に反発し嫌悪感を表す人もいます。しかし考えてみてください。日本の方こそ、中国人民を「チャンコロ」とか「三国人」などと言って蔑視し差別してきたではありませんか。日本人民は関東大震災の時に朝鮮人民を約6000人虐殺するという犯罪に手を染めましたが、こうした差別感情を丸だしにして中国人民も約600人虐殺してしまったのです。「それはもうは過去のことだ」ということではありません。石原・東京都知事はつい数年前、「三国人」発言をおこなったではありませんか。

中国人民の抗日デモに、多少の「行き過ぎ」があったとしても(私は行き過ぎだは思っていませんが)、中国に対して一貫して抑圧民族であった日本人民が、これを「暴力」などと言う資格はないのです。いわんや小泉政権にそのように言わせてはいけないのです。そして、「暴力」と言った瞬間、中国人民の怒りと、その怒りの根源である「背景」までも否定することになり、たたかいの本質を見失ってしまうのです。

殴られた日本人留学生やガラスを壊された日本企業などは、なぜ、そうなったのかを真剣に考えるべきです。そうなってしまった責任はどこに、誰にあるのでしょうか。それは小泉政権の戦争政治と対中国外交にあることはあまりにも明白ではないでしょうか。だから、彼らは中国人民に怒りを向けるのではなく、小泉政権にこそ怒りをぶつけるべきなのです。感情的には、すぐにはむずかしいことでしょうが、そのことに思いいたるべきでしょう。

それに、中国民衆の日本帝国主義に対する怒りは、あれくらいのことで収まるはずがないのです。紆余曲折があろうとも、これからさらに激しいたたかいが巻き起こるでしょう。そして、中国、朝鮮、全アジアに拡大するでしょう。

問題は、こうした中国人民はじめアジア人民のたたかいに日本人民が応えることができるかどうか、ということです。日本人民が、中国人民のたたかいを断固として支持し、真に連帯して、中国人民と日本人民の共通の敵である日本帝国主義・小泉政権打倒に立ち上がったときに、はじめて、日本人民は中国人民から信頼されるようになるでしょう。

現在、アメリカのブッシュ政権は「自由の拡大。アメリカの防衛」を名目に「イラクの次はイランと北朝鮮に戦争を仕掛ける」と言っています。文字通り、中国を包囲する戦争です。そして現在「21世紀の脅威は中国だ。21世紀もアメリカの世紀にするため、中国を叩きつぶす」として、米軍の世界的再編成(トランスフォーメイション)を推進し、中国と北朝鮮に向けた軍事シフトを形成しています。

小泉政権は日米枢軸を形成し、占領軍としてイラクに自衛隊を派兵しています。そして日米安保を全面的に強化し、アメリカと一体となって北朝鮮・中国への侵略戦争へと突き進むことを公言しています。北朝鮮や中国が日本を攻撃しようとしているのではなく、アメリカと日本が北朝鮮と中国を攻撃しようとしているのです。

日本の資本主義体制(帝国主義体制)は今や完全に行き詰まっています。資本家やその代弁人である政府は「このままでは日本は滅びる」「国益を守れ」という危機感をあらわにしています。しかし、この「危機」や「国益」は支配階級である資本家の危機や資本家の階級的私的利益であって、人民の危機や人民の利益ではありません。資本家たちはこの危機からの脱出を侵略戦争によって突破しようとしているのです。独占資本家の団体である日本経団連の奥田会長(トヨタ会長)は「憲法9条を破棄して、自衛隊が米軍と一体になって全世界で軍事行動できるようにせよ」と小泉政権に要求しています。資本家が生き延びるための戦争を直接的・具体的に準備し始めたのです。

中国人民は、イギリス帝国主義の侵略戦争とたたかい、フランスとたたかい、最後には日本帝国主義を叩き出して1949年中国革命を実現しました。しかし、日本人民は、まだ革命を経験していません。日本人民に問われていることは、「戦争か平和か」「戦争か革命か」ということではないでしょうか。中国人民の抗日闘争と連帯してこの東京で、全国で「中国人民の抗日闘争断固支持」「日本人民こそ小泉の戦争政治を打ち砕こう」と声を上げ、デモをすることだと思います。

小泉政権は、中国人民と日本人民が連帯することに恐怖しているのです。だから「反日だ」「暴力だ」と言って、中国人民と日本人民を対立させようとしているのです。このことを見抜き、日本人民は中国人民と連帯し団結して、未来を切り開いていかなければならないのです。

すべての中国人民と日本人民に、「こういう意見もある」ことを知ってもらいたい、というのが私の本当の気持ちです。よろしくお願いします。

東京都杉並区 片岡

「人民網日本語版」2005年5月8日

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