北京心理危機研究介入センターが開設した24時間体制の悩み相談無料ホットライン(800-810-1117)には、心理の悩みを抱える相談者からの電話がひっきりなしにかかっている。同センターの広報責任者・張暁麗さんによると、同電話番号には1日に500~800件のアクセスがあるが、実際につながった電話はわずか10~20%という。北京の日刊紙「競報」が伝えた。
統計によると、2003年8月に開通してから今年4月までに、国内外から19万件のアクセスがあった。センター側が応対した電話は5万件あまりで、それも「話し中」が数十回続いた後でようやくつながる状況という。うち北京市住民からの電話は18.6%。「自殺予防デー」の9月10日前後や、テレビ局と協力して大型の生中継番組が放送された後、ホットラインへのアクセス数が急増し、1日2000件にも達する。アクセスが増えると、電話がつながる確率は低くなる。オペレーターは危機的な心理状態への対応について、系統的な訓練を受けた精神科看護師や専門職員。コスト面の制約から、センター側に待機するオペレーターは通常3人のみで、キャンペーン実施期間でも6~7人程度という。また、自殺願望のある相談者は異常や矛盾を抱えた複雑な心理状態にあり、これを落ち着いた状態に戻すには、少なくとも40~50分が必要であることから、応対できる電話の数はさらに限られる。
同センターの調査によると、中国の自殺による死亡者数は年間平均28万7千人、自殺の最大の原因は深刻なうつ病とされる。自殺未遂者の数は毎年200万人以上に上る。
同センターが2000年、北京の総合病院と専門病院計152カ所の救急診断登録を調査したところ、自殺未遂という明確な記録のあるケースだけで3530例に達した。対象病院での比率を基に推計すると、市内全体では年間9428人前後が自殺未遂により病院で診察を受けている計算になる。
「人民網日本語版」2005年5月11日