欧州在住の華僑・華人を訪問している陳玉傑・国務院僑務弁公室(華僑・華人担当部門)主任は、滞在先の英国で、海外の華僑・華人が関心を寄せる二重国籍の問題について、「国家(中国)が二重国籍を認めないのは確かだ。大部分の華人(中国籍を持たない中国系の人を指す)の利益に関心を寄せているからだ」と述べた。陳主任はさらに次のように述べた。
中国が当初、二重国籍を認めなかった理由は、二重国籍を一度認めると、外国に移住したすべての中国系住民が大きな問題に必ず直面することになるからだ。つまり、現地社会から「中国に忠誠を尽くすのか、それとも今住んでいる国に忠誠を尽くすのか」と問われるだろう。これは、商業を主なビジネスとする東南アジアの華人にとって、マイナス影響をもたらすだろう。現在、華人の95%が東南アジアに住んでいる。このため、中国は大多数の華人の利益を考えている。このため、中国は大多数の華僑・華人の利益に配慮して、二重国籍を認めないことを決めた。
私はかつて欧米や東南アジアを訪問したが、二重国籍を求めるのは欧米の華人ばかりで、東南アジアに住む華人は二重国籍を全く求めない。このことから、2地域の華人が置かる環境が大きく異なることがわかる。欧州の華人が、帰省に便利なように二重国籍を希望することは理解できる。しかし、長期的利益から考えると、中国の決定は国際法と世界の大部分の国における規則に完全に合致し、状況に合う合理的な決定だ。だから、大勢の華人がこれを理解するよう希望する。
「人民網日本語版」2005年6月9日