北京で開催されている第4回6カ国協議は5日、11日目に入った。韓国首席代表の宋旻淳外交通商次官補が明らかにしたところでは、朝鮮次席代表の李根・外務省米州局長と米国次席代表のデトラニ朝鮮半島担当大使が同日午前、約1時間にわたる会談を開いた。さらに、韓米、韓朝、中米、中日の首席代表がそれぞれ2国間の意見交換をした。宋次官補によれば、朝米は核の平和的利用、核放棄の範囲など具体的な問題について話し合ったが、「対立点は縮小されていない」という。
宋次官補は共同文書について「交渉の結果は、明確で曖昧でないことがベストだ」としながらも、「(各国が)明確な形で妥協できない状況では、曖昧さは避けられない」と指摘。一方で「現時点では、曖昧さが必要になるとはまだ言えない。各国がさらに協議する必要がある」と述べた。
米国首席代表のヒル国務次官埔は5日午前、「今回の6カ国協議は最終段階に入ったが、関係各国の立場にはまだ『実質的な差』がある。参加各国は『実質的な対立点』のありかを知っており、いずれも解決を望んでいる」と述べた。朝鮮による核の平和的利用の可否については、これまでの経験から、たとえ民用または研究用の各施設であっても、短期間で核兵器を製造することができると指摘。「米国は非核化された朝鮮半島を作りたい」と述べた。ヒル次官補によれば、核査察問題は共同文書の要点の一つになるが、共同文書では核査察の方法については触れず、核査察の手順や方法については、今後の会談でさらに討論する見通し。
これに先立つ4日夜、朝鮮の首席代表を務める金桂冠外務次官は、米国が朝鮮の核平和利用に反対していることに不満を表明した上で、会議での成果獲得になおも全力を尽くしていく考えを示した。金次官は「世界中のあらゆる国に核を平和利用する権利がある。われわれは戦敗国ではなく、何の罪も犯していないのに、なぜわれわれだけに核の平和利用を認めないのか」と指摘。米国以外の協議参加国は、朝鮮による核平和利用の権利の保留について、いずれも理解を示しているとした。
金次官は「米国が最終的にわれわれの核平和利用を支持すると信じる」と強調。現在は半島の非核化について共通認識には達しておらず、米国との関係正常化に向けた相互信頼はまだ醸成されていないとしながらも「今会談の目標は朝鮮半島の非核化だ。今回の会談で成果を得られるよう、われわれは全力を尽くす。会談は今後も継続する」と述べた。
「人民網日本語版」2005年8月6日