新疆ウイグル自治区(以下は新疆と略)に広がるクラマカン砂漠は長い間、その計り知れない神秘さで多くの人びとを拒み続けてきた。1995年、砂漠北部のルンナン(輪南)と南部のミンフォン(民豊)とを結ぶ縦断自動車道が完成。人類が“死の海”に挑戦する幕開けとなった。それから10年後の今年、北部のアクス(阿克蘇)からアラル(阿拉爾)を経由し、南部のホーテン(和田)に至る第2の自動車の建設が始まった。2本の自動車道はタクラマカン砂漠を北から南へと縦横に貫く。金色に輝く砂漠に“黒色”で人類が自然に挑戦する歴史が再び記される――
10年前、砂漠南部に生活する人びとが北部に位置する区都・ウルムチまで行くには、砂漠沿いに遠回りせざるを得なかった。人類が寸土をめぐり争ってきた大砂漠は挑戦不可能な黄色の“怪物”と見なされ、“死の海”と呼ばれた。総面積33万7000平方キロ。世界第2の流動する砂漠だ。風が起きた時に飛行機から俯瞰すると、波打つ砂の浪はあたかも巨大な竜のように疾走し、砂漠周辺にある村落を襲い、やがて砂漠全体が暗闇に閉ざされてしまう。史料には、1900年前後にかけてタクラマカン砂漠を探検したスウェーデンの探険家スウェン・ヘディンが毎回、九死に一生を得たと記されている。
90年代にタリム盆地で石油・天然ガス田(塔中)が発見されたのを機に、タリム砂漠の開発が進められた。石油開発機関は当初、タクラマカン砂漠の中心部に位置する塔中から石油などを円滑に搬出するには毎日、輸入した特殊車両を砂漠の中をピストン輸送させるしかなかった。だが採掘量が増大するにつれ、輸送量に限界が出てきた。こうした中、関係者の間に持ち上がってきたのが自動車道を建設する構想だ。
第1縦断自動車道は1995年に完成した。全長522キロと、流動砂漠に建設された世界最長の規格道路。タリム盆地の石油・天然ガス田の開発や新疆南部の発展に大きな役割を果たしている。ホーテンの住民がウルムチまで行くのに要する時間も、従来の3~4日から1日に短縮された。
新疆南部の基盤施設をさらに整備し、資源の活用をさらに促進しようと今年6月、第2縦断自動車道の建設が始まった。全長424キロ。2007年12月に開通する予定。完成後、新疆南部に生活する各民族の生活はより改善すると期待されている。
「チャイナネット」2005年8月29日