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福建省、黒面ヘラサギが再度姿を現す

福建省では、一時姿を消していた黒面ヘラサギがここ2年間にまた姿を現し、越冬するようになった。関連の調査によると、2004年から2005年の冬にかけて約70羽の黒面ヘラサギが福建省で越冬し、渡る途中この一帯でひと休みしたものも80羽以上に達する。

黒面ヘラサギはコウノトリ目科に属する体の大きな渡り鳥で、身長は約78センチ、体は真っ白である。そのくちばしの端は楽器の琵琶の形に似ているので、中国語では「黒臉琵鷺」と称している。黒面ヘラサギは絶滅の危機に瀕した種と指定されており、2005年1月、世界的範囲で同時に調査を行った結果、1475羽が生存していることが分かり、台湾、香港、福建、広東、海南、日本、ベトナムなどの河口付近の沼沢地を主な越冬地としている。鑑賞的価値も高く、台湾の曾文渓の河口で越冬する黒面ヘラサギの数がもっとも多いことで世界に知られ、毎年バードウォッチングを兼ねた多くの観光客が押し寄せている。

福建省には数多くの島嶼があり、シラサギ、カモメ、アジサシなどの水鳥の理想的な繁殖の地でもある。1950年代や60年代には福建省のビン江の河口およびその周辺地域には年中黒面ヘラサギの姿が目につき、冬に飛来して越冬する一群れの数だけでも80羽を超えていた。1980年代以降急減し、ビン江の河口で毎年10~20羽しか目にすることができず、90年代になると姿を消してしまった。

福建省の黒面ヘラサギ保護事業が直面している脅威は、生息地の減少や破壊されたことであり、海岸湿地の開墾や汚染、過度の漁労による干潟や湿地の生物の急減である。現在、人間の活動の妨害を受けていない広大な面積の干潟も少なくなり、これらの地域は水鳥の多様性保護にとって特に貴重な存在である。湿地の保護や持続可能な利用プロジェクトの実施によって湿地を維持し、もとの生態系機能の回復に努めることが当面の急務となっている。

写真は黒面ヘラサギの憩いの群れ

「チャイナネット」2005/09/21

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