「中ロ関係は両国関係の歴史で最高のレベルに達した」
2006年に中国で「ロシアの年」、その次の2007年にロシアで「中国の年」の諸行事が行われることになっている。さまざまな状況から見れば、中国と北部の隣国-ロシアとの関係はますます緊密度を増やしている。
2006年1月3日、新華社の関連報道で、ロシアのアレクシェフ外務次官は「過ぎ去った2005年に、ロシアと中国の関係は両国関係の歴史で最も高いレベルに達した」と評価した。
中国とロシアで開催される「中国・ロシアの年」は高いレベルのもの
中国国務院副総理、「中国・ロシアの年」中国側組織委員会の呉儀主席の招請に応じて、ロシアの第一副総理である、同行事のロシア側組織委員会のメドウェジェフ主席は中国訪問の期間に、「中国・ロシアの年」および両国関係などの問題について中国側と話し合った。双方は「中国・ロシアの年」への注目を示している。両組織委員会の主席のレベルから見れば、「中国・フランス文化年」と違いがある。「中国・フランス文化年」の際に、中国側の組織委員会主席は中国国家文化部の孫家正部長であり、フランス側の組織委員会主席はフランスアカデミー会員のジャン・ピエール・アンガルミ氏であった。
ロシア駐中国大使のラゾフ氏は「『中国・ロシアの年』の内容も『中国・フランス文化年(2003-2004年)』と異なるものである。『中国・ロシアの年』は総合的なトータルの行事であり、貿易、科学・技術、投資、教育、医療衛生、軍事面の協力などの分野でくりひろげられるもので、両国関係のさらなる発展に寄与するものともなっている」と語った。
過去一年間に、中ロ関係にはピークが次々と現れた
ラゾフ大使によると、中ロの政治関係はさまざまな分野でスムーズに進んでいる。2005年に、両国首脳は四回も会見し、両国の総理も十回目の会談を行い、両国の議会の間の交流も頻繁になっている。
2005年6月に、中国外交部部長とロシア外相は「中国とロシアの国境の東区間についての補足的協定」の批准文書を交換し、これは中国とロシアの国境問題が徹底的に解決されたことを示している。
7月1日、ロシア訪問中の胡錦濤国家主席とプーチン大統領は「中華人民共和国とロシア連邦・21世紀の国際秩序についての共同声明」を発表し、21世紀における国際新秩序をいかに構築するかについて共同で12項目の主張を打ち出した。
8月18日から8月25日にかけて、中ロは「平和の使命-2005」合同軍事演習を実施し、これは両国が共同実施した最初の合同軍事演習として、世界的範囲で広く注目された。
2005年に、中ロ両国の経済貿易、投資分野での協力が急速に広がり、2005年に中ロの貿易額は290億ドルに達し、昨年同期比33%増と見られている。中国はドイツについでロシアの二番目の貿易パートナーとなると見られている。
事務的な交渉からメカニズムとしての協力に
上海国際問題研究所・ロシアおよび中央アジア研究室の陸鋼主任によると、中ロ両国のトップ層の交流、事務的な交渉のメカニズムが形成され、両国関係の安定と両国間の交流を力強くて促すことになった。2005年に、両国は実質的な新協力メカニズムを構築し、その主な内容として両国の戦略安全交渉メカニズムがすでに始動している。唐家セン国務委員をはじめとする代表団のロシア訪問、イワンノフ・ロシア連邦安全会議秘書をはじめとする代表団の北京訪問は、両国首脳の取り決めによって構築された専門的な交渉のチャンネルとなった。
ラゾフ大使は「このチャンネルを通じて、ロシアと中国は両国および多角的安全問題について実質的な対話を行った。現存の両国の協力メカニズムには新たな内容が増えている。例えば、さまざまな専門的な委員会が15に増えたこと。これらの委員会は中ロ協力における重要な分野をカバーするものである。2005年にこの協力メカニズムの運営にはかなりの成果が見られた」と語った。
十年間の戦略的なパートナーシップが実る
2006年は中ロ戦略的パートナーシップ樹立十週年に当たる年。
1991年12月27日、中国はロシア連邦政府を承認し、大使級の外交関係を樹立した。1992年にエリツィン大統領が中国を訪問し、双方は「中華人民共和国とロシア連邦・両国関係の基礎についての共同声明」を発表し、互いに相手側を友好国と見なし、中ソ関係から中ロ関係への平穏な変遷を成し遂げた。
1994年9月に江沢民主席がロシアを訪問し、両国は二つ目の「中ロ共同声明」を発表し、両国は仲良い隣国として互いに協力しあう」建設的なパートナーシップを構築することを明らかにした。1996年4月24日から26日にかけて、エリツィン大統領が再び中国を訪問し、中ロ両国の首脳は北京で三つ目の「中ロ共同声明」を発表し、両国は「平等で信頼しあい、21世紀に向けての戦略的なパートナーシップを確立する」ことを正式に明らかにした。
1997年に調印した「世界の多極化と国際新秩序を構築する共同声明」から、2005年に調印した「21世紀の国際新秩序についての共同声明」に至るまで、中ロ両国の戦略理念は日々に接近している。
2001年6月15日、ユーラシア大陸におけるいまひとつの地域的な多角協力組織―「上海協力組織」が発足し、同組織の主旨を具現する「上海精神」が初めて打ち出された。つまり、「相互信頼、互恵、平等、話し合い、多様性のある文明を尊重し、ともに発展することを目指す」ということがそれである。
将来において、「上海精神」を踏まえて新しい価値観の中味をさらに豊かなものにすることは中ロが直面しなければならないチャレンジであろう。
「チャイナネット」 2006年1月16日