中国の銀行の小企業向け金融サービス強化の措置に段階的な成果が見られる。これは、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の劉成相統計部主任が先般深センで開催された第5回中小企業融資フォーラムの席で述べたものである。
劉成相主任によると、現在、各銀行は相次いで小企業貸付管理部門や専門チームの設立に取り組んでいる。小企業貸付の貸し出し手続きも簡素化されており、多くの銀行が小企業貸付の許可権限を下級部門に付与し、審査制度・手段の革新を行い、効率の向上を図り、小企業貸付の「期間が短く、頻度が高く、回転が速い」という特徴に対応できるよう努めている。
いくつかの銀行は、小企業貸付実績評価および賞罰方法を打ち出し、小企業貸付業務担当者の収入をその業務量、収益などの指標とリンクさせ、一部の銀行はまた、小企業ユーザー部門マネージャーを奨励する特別資金を計上している。数多くの銀行は、小企業のための新しい金融商品やサービスの開拓に力を入れ、小企業の多様化したニーズに応えようとしている。小企業貸付における信用不良者情報通達メカニズムの構築もすでにスタートし、いくつかの銀行では小企業貸付管理システムを利用して、貸付後のモニタリング、支店など所属機関への契約違反取引先および関連取引内容・ユーザ情報の通達を通じて、信用不良取引先への貸付は厳格にコントロールされることになっている。
多くの地域では、貸出リスク抑制のため、銀監会の主導のもとで、地域的小企業貸付違反情報の収集や通達制度が実施されている。
中国の私営企業の発展資金のほとんどは企業主の自己資本と内部留保によるもので、ここ数年つねに50%~60%以上を保っている。その他の資金はわずか30%で、そのうち社債と会エクイティーファイナンスによる資金調達などの直接融資は3%しかなく、銀行貸付は約20%である。
劉成相統計部主任は、中小企業の資金調達難問題を根本的に解決するには、金融体制改革の加速、小企業向け金融サービスの一層の強化、資本市場の多様化、中小企業の間接・直接融資ルートの充実などが必要であるとしている。
「チャイナネット」2006年12月19日